日本各地の星野リゾートを巡る『旅するLovePiano』も、いよいよフィナーレを迎えます。その舞台となるのは、爽やかな風が吹き抜けるBEB5軽井沢(ベブ)。新緑の軽井沢からラストレポートをお届けします。
*『旅するLovePiano』は、星野リゾートとヤマハミュージックジャパンで開催するLovePiano(ストリートピアノ)プロジェクトの名称であり、ピアノの愛称です。
リズミカルな演奏が空に放たれて
「LovePiano」を通してピアノの魅力や演奏することの楽しさをより多くの方に伝えたいと願うヤマハと、「旅先で心に残る体験をしてほしい」と願う星野リゾートとがコラボレーションしたプロジェクト『旅するLovePiano』。「旅×音楽」の特別な思い出を彩る最後の地はBEB5軽井沢のパブリックスペース「TAMARIBA(タマリバ)」(設置は7月31日まで)です。大きなガラス戸の向こうにシームレスに広がる中庭のウッドデッキには、自由なスタイルで『旅するLovePiano』を楽しむ人たちの姿がありました。
今回、『旅するLovePiano』を体験するのは、橋本悠乃(ゆの)さんと日栄凛花(りんか)さん。幼稚園から高校まで、ずっと一緒だったという幼なじみの2人です。日栄さんのお母さんはピアノの先生。その教室に橋本さんが通うようになり、発表会では毎回、連弾していたとか。高校生になって軽音楽部に入った橋本さんが、さまざまな演奏動画を見るうちに、ストリートピアノと出会い、ファンになったそうです。
「LovePianoは地元の愛知にも来たことがあって、可愛いな、弾きたいなと思っていました。大学進学で地元を離れてからはピアノを弾く機会がなくなってしまったので、『旅するLovePiano』が弾けたら嬉しいなと思って応募しました」(橋本さん)。
今春から橋本さんは工学部へ、日栄さんは音楽大学へと進み、別々の道を歩むことになった2人。『旅するLovePiano』は久しぶりの再会の機会にもなりました。
おたがいを「凛ちゃん」「悠ちゃん」と呼び合う幼なじみだけに、久しぶりでも息はぴったり。
さっそくそれぞれにピアノの感触を確かめると、「やってみようか」という雰囲気が高まって連弾1曲目へ。曲はピアノデュオ、レ・フレールの代表曲のひとつ、『On y va!』(作曲:斎藤守也)です。
「周りの人も一緒に手拍子をする様子がストリートピアノのYouTubeにアップされていて、かっこいいなと思って選びました」と橋本さん。それぞれに自分のパートを練習してきて、やっと合わせることができたのが前日とのことですが、とてもそうは思えないほど息はピッタリ。アップテンポのリズムに乗って、パワフルに歯切れよく、爽快に弾き切りました。演奏の途中に入る手拍子の合の手を橋本さんが担当。「ピアノ大好き!」という2人の思いがあふれました。
そしてもう1曲、高校時代の発表会で連弾したというレパートリー、『ルパン三世のテーマ’78』(作曲:大野雄二/編曲:ジェイコブ・コーラー&よみい)を演奏し始めると、「TAMARIBA」にワクワク感が広がっていきます。音色に誘われて、近くを通りかかった人も「TAMARIBA」に足を運んで演奏を楽しんでいました。中庭を囲む樹々の葉が風にそよぎ、柔らかな木漏れ日が『旅するLovePiano』の楽しさを浮き立たせていました。
自然の中でピアノもスイーツも堪能
カラフルなドリンクに、雲に見立てた綿あめをトッピングした「アンBEBラソーダ」。ジョーロで雨(ソーダ)を降らせる瞬間もしっかり撮影!
ここで「アンBEBラソーダ」(BEB5軽井沢のオリジナルドリンク)を楽しみながら、中庭のウッドデッキでブレイクタイム。『旅するLovePiano』を演奏した感想は?
「外で弾くのは初めてだったので、すごく新鮮で楽しかったです。豊かな自然の中でピアノが弾けるっていいですね。またこんなふうに旅先でピアノが弾けたらいいなあと思います」(橋本さん)
「ストリートピアノって楽しんで弾くほうがいい演奏になるので、とにかく楽しんで弾こうと思いました。2人だから緊張せずに弾けるのが連弾のいいところ。こうして悠ちゃんと弾けて、とてもいい思い出ができました」(日栄さん)
『旅するLovePiano』がなかったら2人で旅行もできてなかったね、という日栄さんの言葉に、「そういえば2人で旅行は初めて」と橋本さん。「あとでもう1回やりたいね」「やりたい!」と、さらにテンションを上げていました。
期間限定の「ドレミのドーナツ」を楽しみながら、「どんな曲がリクエストされているかな?」とリクエストツリーをチェック。
連弾の前後には、橋本さんがジャズのナンバーをソフトなタッチで、日栄さんが『英雄ポロネーズ』をダイナミックに演奏しました。
「ストリートピアノを演奏する人たちがジャズ・アレンジを演奏しているのを見て、ジャズってかっこいいなと思うようになりました。今、勉強中です!」(橋本さん)
「ジャズは憧れますね。今は大学の課題や管・弦楽器、声楽、コンチェルトなどの伴奏を担当しているので余裕はないけれど、いつかジャズもやってみたいです。私は人と合わせるのが好きなので伴奏はとても楽しいし、勉強になっています」(日栄さん)
軽井沢までの移動中は、おたがいの近況を報告し合っていたという2人。話が尽きることはなさそうです。
ルームウエアやタオル、スリッパや鏡にも遊び心満載の「アンBEBラルーム」で会話も弾みます。
ストリートピアノはあったかい!
この日2人が宿泊したのは、「アンBEBラルーム」。「ハルニレテラス」で開催されている「アンブレラスカイ」をモチーフとした雨のしずくや傘、あじさいがデザインされた人気の客室です(1日限定1室)。ドアを開けたとたん、「わあ〜、すごい!」「可愛い!」と声を上げる2人。一晩過ごしてみて、「秘密基地のようで童心に帰れた」そうです。ハルニレテラスのレストランで食事をしたり、トンボの湯で旅の疲れを癒したりと、初めての軽井沢を堪能しました。
翌日も『旅するLovePiano』を演奏。聴いていた人から「よかったよ~」と笑顔で話しかけられ、2人も自然と笑顔に。またひとつ、旅の思い出が増えたようです。
「旅先でピアノが弾けるってすごくいいと思います。演奏した人も聴いた人も、その曲をどこかで聴いたときに、きっと旅のことを思い出すのではないでしょうか。旅を思い返すきっかけが音楽というのも、写真とはまた趣が違っていいなと思います」(橋本さん)
2人はこれからもストリートピアノを弾き続けたい、と言います。
「子どもから年配の方まで、ストリートピアノのまわりにはいろいろな人がいて、そういう雰囲気の中で自由に弾ける文化って、すごく素敵だなと思います」(日栄さん)
「ストリートピアノに集まるたち人って、どんなに拙い演奏をしても拍手してくれて、みんなとてもあったかいんです。音楽が創る人の輪っていいなあと思います。この旅行を経験して、音楽がまた大好きになりました!」(橋本さん)
2人のかけがえのない旅の1ページに、『旅するLovePiano』が映像と音を刻みました。日本各地でたくさんの物語を生んできた『旅するLovePiano』。7月31日の最終日を前に、爽やかな風と緑を感じに、BEB5軽井沢へぜひお出かけください。
文:芹澤一美
写真:星のや軽井沢 永瀬裕二
星野リゾート BEB5軽井沢(長野県軽井沢町星野)
BEB5軽井沢
ウッドデッキの中庭を囲むように、カフェやライブラリー、ショップが一体的に展開するパブリックスペース「TAMARIBA」が象徴的なBEB5軽井沢。「居酒屋以上 旅未満 みんなでルーズに過ごすホテル」がコンセプトの、若い世代のためのホテルです。
ハルニレテラス
梅雨の時期に空を見上げたくなるイベント「軽井沢アンブレラスカイ2023」が、軽井沢星野エリア ハルニレテラスで開催中(7月9日まで)。100本を超えるカラフルな傘で彩られる「傘のアーケード」が楽しい気分を演出します。夕暮れからはライトアップされ、幻想的な光景が楽しめます。
星野温泉 トンボの湯
源泉かけ流しの立ち寄り湯「星野温泉 トンボの湯」も軽井沢星野エリア内の注目ポイントのひとつ。肩まで浸かれる深い湯船と開放感たっぷりの露天風呂が楽しめます。
ドレミのドーナツ
『旅するLovePiano』の開催期間中、音符に見立てた「ドレミのドーナツ」が提供されています。軽井沢の自然の中で、ピアノ演奏を聴きながら手軽に楽しめる一口サイズのドーナツは、イチゴの甘酸っぱさやミルクチョコレートの甘さが楽しめます。
星野リゾート BEB5軽井沢
長野県軽井沢町星野
公式ウェブサイト