北海道トマムの雲海テラス(8月)からスタートし、OMO7大阪(10月)、そして沖縄にやって来た『旅するLovePiano』*(設置は12月25日まで)。沖縄県中部エリアに位置する、国内最大級の海カフェ「バンタカフェ」から、レポート第3弾です。
*『旅するLovePiano』は、星野リゾートとヤマハミュージックジャパンで開催するLovePiano(ストリートピアノ)プロジェクトの名称であり、ピアノの愛称です。
ストリートピアノから生まれた出会い
入り江に沿うように、海を見渡す崖に立つ「星野リゾート バンタカフェ」。そのエントランスを入った瞬間、コバルトブルーの水平線が目に飛び込んできます。キラキラと輝く海の、息をのむような美しさ。開放感に満ちた、大パノラマの絶景スポットです。海に臨む「大屋根デッキ」には、波の音も届いてきます。
今回、『旅するLovePiano』を体験するのは、松尾咲希さんと儀間咲希さん。ストリートピアノで知り合ったのがほんの2か月前というのが信じられないほど、ぴったり息の合った2人。名前が同じなのもまったくの偶然です。
「海の近くで弾いてみたい」とモニターに応募した松尾咲希さん(左)のピアノとともに歌う儀間咲希さん
「何をやろうか?」と楽しそうに相談して、曲はまず、2人が大好きだという藤井風『grace』に決定。表情豊かで優しいタッチのピアノと、音楽からあふれ出る思いの詰まった歌声。それぞれの個性がカラフルに溶け合います。
続く『帰ろう』(藤井風)は、2人の出会いのナンバー。那覇空港(国際線)にあるストリートピアノで松尾さんの演奏を聴いた儀間さんが、感動して声をかけたのが始まりだとか。意気投合した2人はセッションするように。ある日、2人が空港で『grace』を演奏していたら、それを聴いて泣いている人がいたそうです。
「たまたま島から乗り継ぎでここに来たら、好きな曲をやっていて感激しました、と言ってくれて、思わずハグしました。ストリートピアノって、そういう偶然の出会いが素敵だなあと思います」(松尾さん)
2人の咲希さんもピアノからつながった縁。「旅」と「音楽」という2つの魔法が、数々の出会いを生んでいます。
沖縄テイストをちりばめた『きらきら星』
ここで、儀間さんから松尾さんへ、ソロ演奏のリクエスト。曲は、松尾さんみずからアレンジした『きらきら星』で、松尾さんも「バンタカフェで弾いてみたかった1曲」です。
晴天に恵まれて輝く大海原に、沖縄テイストの『きらきら星』が響きました
3歳からピアノを始めたという松尾さん。お母さんがヤマハ音楽教室の講師だったことから、最初にヤマハ音楽教室幼児科に入り、音楽の楽しさを知ったそうです。その後、ピアノの個人レッスンを続け、大学で専門的にピアノを学びました。大学4年生のときに「第3回クリスタルPianoコンクール・アレンジ部門」に応募。その課題曲が『きらきら星』でした。沖縄音階を取り入れ、中間部に沖縄の踊り、カチャーシーを織り込んだアレンジが高く評価され、みごとクリスタル大賞を受賞。その副賞として、ヤマハ「ぷりんと楽譜」から楽譜が出版されました。翌年には演奏部門の課題曲にもなり、全国各地で多くの人に演奏されています。
「波の音や沖縄の星空をイメージしながら、沖縄の情景を表現したいと思ってアレンジしました。YouTubeに演奏動画をあげてくださる方もいて、遠いところの人にも曲が届いているんだなあと思うと嬉しくなります」
満天の星が瞬くような松尾さんの『きらきら星』からは、沖縄の海の懐の深さや人のあたたかさも感じられました。
日が落ちるまでのゆったりした時間
現在は劇伴作曲家を目指して、作・編曲の勉強を続け、経験を積んでいるという松尾さん。ピアノ演奏動画も配信するなど、少しずつ活動を広げています。儀間さんも、ピアノやギターの弾き語りをアップしているとか。そして、二人とも小学校の音楽クラブではトロンボーンの担当で、松尾さんは三線、儀間さんはユーフォニアムも演奏するそうなので、2人のセッションの広がりも楽しみです。
もう1曲『Subtitle』(Official髭男dism)を演奏して、波打ち際でひと息。音楽モチーフが可愛い期間限定のスイーツ「奏でるちゅらーと」を楽しみながら、バンタカフェでの演奏を振り返りました。
ジェラートと「ちゅら(美しい)」をかけて名付けられた「ちゅらーと」
沖縄らしい時間が過ごせる「海辺のテラス」で海風を感じながらおしゃべり
「潮風の香りが漂う海の近くで演奏できたこと、そしてこの景色を、一生忘れないと思います」(松尾さん)
「この雰囲気と隣で咲希さんが弾いてくれたことで、緊張せずにリラックスして気持ちよく歌えました」(儀間さん)
やがてバンタカフェはサンセットに。刻々と日が沈んでいくなか、「『夕暮れ沿い』をやろう!」と再びピアノに向かった2人。軽快な演奏が夕景のバンタカフェを包みました。
夕景に誘われて演奏したのは『夕暮れ沿い』(Official髭男dism)
その後、バンタカフェ併設の「オールーグリル」でおしゃれなディナーを味わいながら、夜の海辺をライトアップするイベント「イルミーバンタ 海辺の夜あかり」も堪能。その幻想的な世界を眺めながら話したことは、「プロポーズによさそう」だったとか。
夜は、7月にオープンしたばかりのBEB5瀬良垣沖縄へ。BEBは、全室にキッチンとランドリーを完備した、「みんなでルーズに過ごす」ホテルブランド。「ゆっくり、のんびり、素敵な時間を過ごしてほしい」がコンセプトのホテルです。
「ゴーヤをクリスマスツリーに見立てた「ゴーヤツリー」に迎えられてチェックイン。。沖縄テイストの遊び心あふれるアイテムや、24時間オープンのカフェ、パブリックスペース「TAMARIBA(タマリバ)」の開放的な空気感が旅の気分を盛り上げてくれます。実はこの日、儀間さんが「一緒に弾き語りをしたい」とギターを用意してきました。時間にとらわれずに、気ままに過ごせるBEBは、2人にぴったりです。
音楽で人と人とがつながる幸せな体験
2人はその夜、ゆったりくつろぎながら、バンタカフェでの演奏や好きな音楽について「修学旅行のように」深夜2時まで、語り合ったそうです。
「お部屋が広くて、憧れの家みたいな感じでした。くつろげる場所も何か所もあって、ずっといたいなと思いました」と満面の笑顔。そして、「この曲を一緒にやろう」「新しく何かやりたいね」と、これからの話にも発展したそうです。
沖縄在住の2人。県内で旅行という発想はあまりなかったそうですが、あたり前と思っていた自然のすばらしさを再発見したようです。
「目の前に広がるきれいな海を感じながらピアノが弾けて、とても幸せでした。また、音楽が好きな友だちと一緒だったので、旅全体で音楽を楽しめて、心に残る思い出になりました。音楽と沖縄と旅がもっと好きになりました」(松尾さん)
「なかなか聴くことができない海のそばでのピアノ生演奏を聴けて、また自分も歌うことができて、本当に幸せな時間でした。今も余韻から抜け出せません。『旅するLove Piano』を通して、音楽で人と人とがつながっていくことが実感できました。音楽ってやっぱり素敵だなあと、あらためて思っています」(儀間さん)
個性的な4つのエリアで沖縄の海を満喫できる「星野リゾート バンタカフェ」、そして思い思いの過ごし方ができるBEB5瀬良垣沖縄は、時間を忘れてくつろげるところ。ぜひ一度、お出かけください。
『旅するLove Piano』の旅はまだまだ続きます!
文:芹澤一美
写真:大城 亘
♪松尾咲希さんのYouTubeチャンネルはこちら 『さきぴあの』
https://www.youtube.com/@sakipian0
♪儀間咲希さんのYouTubeチャンネルはこちら 『SaKii』
https://youtube.com/@sakii3898
※撮影時のみ「マスクを外す」「歌唱の許可」を得て撮影を実施しています。通常の「旅するLovePiano」では歌唱は不可、演奏時はマスクの着用をお願いしております。
星野リゾート バンタカフェ
「星野リゾート バンタカフェ」は、敷地面積1600平方メートルを有する国内最大級の海カフェです
パノラマの絶景が広がる「大屋根デッキ」
星野リゾート バンタカフェ
〒904-0327 沖縄県中頭郡読谷村儀間 560
*施設詳細は公式ウェブサイトにてご確認ください。
星野リゾート BEB5(ベブファイブ)沖縄瀬良垣
コンドミニアムタイプの客室は全8タイプ
ゴーヤをテーマにした「ゴーヤルーム」には遊び心がいっぱい
24時間オープンで、いつでも利用可能な「TAMARIBA」は、みんなでワイワイ過ごすのに最適な場所
テントサウナやDJブースも設置される「ホットナイトプール」がもうすぐオープン(12月24日〜3月31日)。屋外プールを温水化した冬でも楽しめるプールです
星野リゾート BEB5沖縄瀬良垣
〒904-0404 沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1860-4
*施設詳細は公式ウェブサイトにてご確認ください。