星野リゾート　リゾナーレトマム発・旅とピアノのストーリー『旅するLovePiano』VOL.1

『旅するLovePiano』で貴重な体験を

星野リゾートトマムの雲海テラスは、気象条件の揃ったときに流れ込むダイナミックな雲海を間近に鑑賞できる展望施設です。『旅するLovePiano』の幕開けにふさわしい、とてもインパクトのある場所です。
「自然を感じられる環境でメロディーを奏でる体験はめったにできないこと。感性を磨くのによい経験になると思います」と、『旅するLovePiano』の宿泊モニターに選ばれた磯野郁美さん。磯野さんご一家は、お父さんの大（たかし）さん、娘さんの優杏（ゆあ）さん、息子さんの優佑（ゆう）さんの4人でリゾナーレトマムを訪れました。
お母さんは3歳から14歳までヤマハ音楽教室に通い、エレクトーンの演奏経験があるとのこと。小学1年生の優杏さんも3歳からピアノを習い、優佑さんも最近、教室に通い始めたそうです。お話を聞いて驚いたのは、優杏さんが、お母さんと同じ先生に習っているということ。「弾けると楽しいなと思えたのは、その先生のおかげなので、娘にも同じ経験をしてほしいと考えています」
ストリートピアノは、街中で見かけてもなかなか演奏には踏み出せなかったそうですが、今回は娘さんとの連弾で初挑戦します。曲は、優杏さんが3、4歳のころ「セリフを全部覚えるくらいよく観た」という「となりのトトロ」のテーマ曲。家で練習する2人を心から応援するお父さんと、新幹線が大好きな優佑さん。とっても素敵なご家族です。

刻一刻と表情を変える
自然の絶景

目の前に広がる絶景に圧倒されました

雲海テラスには、夏季（2022年は５月11日～10月14日）の毎朝5時から運行される雲海ゴンドラに乗って向かいます。片道約13分。ゆっくりと登って行くゴンドラから、遠くの山々が少しずつ見えてきます。高さ12メートル、3階建ての展望デッキに到着すると、「雲Cafe」からピアノの音が聴こえてきました。外のデッキは朝露で湿り、この日は「雲Cafe」内での演奏に。こうしてとても大切に管理されているので、雲海テラスという高所でも、ピアノのコンディションが維持されているのですね。星野リゾート　リゾナーレトマム総支配人の渡辺巌さんによると、連日、多くの方が『旅するLovePiano』の演奏を楽しまれたとのこと。中には、究極の非日常とも言える雲海テラスでの演奏を目的に、リゾナーレトマムを訪れた方もいるそうです。

絶景を眺めに、まず展望デッキに出てみると、眼下に広がる大パノラマに、お父さん、お母さんから「わあ、すごい！」という歓声があがりました。この日の景色は遥か遠くまで見渡せる一面の緑。太陽が昇るにつれ、光の当たり方が変わり、山の色は刻々と変化します。今、この瞬間にしか見られない自然の表情は、一瞬で消えゆく音楽にも重なる気がします。渡辺総支配人が「旅と音楽は親和性が高い」と話されたのには、こんな背景があるのかもしれません。
「すごく気分がいいです！どこかにトトロがいそうだなって気がします」とお母さん。トトロの歌詞にもあるように、大自然の中で「素敵な冒険」が始まる予感がします。

連弾から
ファミリーセッションへ

演奏する人が途切れたタイミングでチャレンジをスタート。「弾いてみる？」の声に小さくうなずくと、優杏さんは迷いなくピアノに近づき、音色を確かめるようにポロンポロンと弾き始めます。人前での演奏にも堂々とした様子。お母さんも楽譜を準備して横に座り、息を合わせて連弾が始まりました。
先生のアドバイスで楽譜を合体させたという、オリジナルバージョンの「となりのトトロ」は、お母さんがハーモニーとリズムを担当、優杏さんがメロディーを奏でます。弾むリズムと心地よいテンポに、体が揺れるような楽しさがあって、耳を傾けていた周囲のみなさんも、演奏後にあたたかい拍手をしてくれました。もう１曲、優杏さんがソロで「いとまきのうた」を弾くと、優佑さんもポンポンと鍵盤を触り始め、そこにお父さんも加わって、和やかなファミリーセッションに発展しました。

家族で弾いたことも『旅するLovePiano』の思い出に

「楽しかった」という優杏さん。お父さんは「家ではつかえていたところもうまく弾けて、本番に強いなと思いました（笑）」と、お母さんも「久しぶりに弾いてみて、楽しさを思い出しました」とにっこり。雲海テラスでの演奏という目標を成し遂げて、ちょっとホッとした様子です。でも、このストーリーにはまだ続きがありました。

自然に背中を押されるように

「雲Cafe」ならではのメニュー、雲海ソーダに思わず笑顔

「Sky Wedge（スカイウェッジ）」の先端はまるで船の舳先のよう

「雲Cafe」で雲海ソーダを飲んで一息入れると、雲海テラスを散策することに。屋外へ出ると、優佑さんが大きな声で「ヤッホー！」、優杏さんも「ヤッホー！」。トトロのワンシーンのようです。空中に雲の形にせり出した「Cloud Walk（クラウドウォーク）」を歩き、船の舳先のような形をした展望スポット「Sky Wedge（スカイウェッジ）」の先端で眺望を楽しんで……。優杏さんは、大人でも足のすくみそうな地上3メートルの椅子「Cloud Bar（クラウドバー）」にも、躊躇せず登って行きます。少し前にピアノを弾いたときのように、表情には意志の強さが表れていました。
「雲Cafe」に戻ったところで、「もう１回弾いてみる？」と声をかけられると、今度は大きくうなずいてピアノへ。2回目の「トトロ」が始まりました。演奏には、お母さんと娘さん2人の「弾きたい気持ち」がまっすぐにあふれていて、澄んだ音色にとても胸を打たれました。「自然が背中を押してくれたようで、うまく弾かなきゃというより、楽しいな、弾きたいな、という気持ちになりました」というお母さんの言葉に、『旅するLovePiano』の醍醐味がぎゅっと詰まっていました。

『旅するLovePiano』で
世界に一つの体験を

1音1音に「楽しいな、弾きたいな」という気持ちがあふれていました

ご家族で「旅×音楽」の体験をした磯野さんご一家。帰宅されてからの様子も寄せていただきました。
「優杏は『いっぱい人がいて、ちょっと緊張したけど、楽しかった。ピアノがかわいかった』と話していました。最近は鼻歌がトトロになっていて、優杏の中でも思い出の1曲になったのではないかなと思います。優佑は『ゆうくんも大きくなったらトトロ弾く！』と言っています。いつか一緒に弾けるとうれしいなと思います」
そして「ほぼ20年ぶりに弾いた」というお母さんは、「練習するうちに少しずつ曲になってくる感覚が楽しかったです。これまで経験があったのはエレクトーンだったので、ピアノ連弾は初めてでしたが、親子の思い出ができたので、挑戦してみて本当によかったなと思います。これを機に、また好きな曲を弾いてみたいと思います」と振り返ってくれました。たくさんの人の前で物怖じせずに弾いたことに「びっくりした」というお父さんも、娘さんの成長の様子を喜ばれていたそうです。
『旅するLovePiano』から生まれる世界で一つのストーリー。みなさんもぜひ、星野リゾートとヤマハのプロジェクト『旅するLovePiano』で、「旅×音楽」の忘れられない思い出をつくってください。『旅するLovePiano』はまだまだ続きます。第2回のレポートもぜひお楽しみに！

文：芹澤一美
写真：四季風舎

星野リゾート　
トマム/リゾナーレトマム　
（北海道勇払郡）

大地から聳え、大空に溶け込むように建つデザインがひときわ目を引く、ツインタワーの高層ホテルを中心に、レストランやプールなどが広大な敷地に点在。雲海を眺める夏の「雲海テラス」、パウダースノーの醍醐味が忘れられない冬のゲレンデまで、シーズンを通してリゾートステイが楽しめます。
＊施設詳細は公式ウェブサイトにてご確認ください。