ブラス&ダンスを融合させたパフォーマンス「ブラダン」を通して、吹奏楽の素晴らしさを世界へ届ける4人組管楽器ガールズグループ “MOS”。ヤマハミュージックメンバーズでは、2024年6月22日に「ヤマハミュージック 横浜みなとみらい」でおこなわれたライブパフォーマンス後に、MOSの4人にインタビューをおこないました。グループ結成の背景と楽器の魅力をお聞きした前編に続き、後編の本記事では、日々の楽器のメンテナンスや練習について、さらにMOSが提唱する「ネオ吹奏楽」に込めた思いについてお聞きしました。
プロフィール
Lotta(ロッタ)
AMI(アミ)
Miyu(ミユ)
Erna(アーナ)
楽器のメンテナンスや練習は「おまじない」のようなもの
-日々のメンテナンスや練習など、普段から気にかけていることはありますか?
AMI
私はメンテナンスと改造するのが大好きなので、サックスのタンポを総取っ替えしたり、ステージ上でキラッと光るように、キーガードをビーズでデコレーションしたりしています。それによって音も変わるので、日々楽しみながら工夫しています。
AMIさんのサックスに施されたデコレーション
Lotta
お手入れは毎日しますし、毎月音大の時からお世話になっているリペアさんにメンテナンスをお願いしています。そういったこだわりがあることが、日々の「おまじない」のようになっているところはありますよね。
Miyu
毎年ヤマハ銀座店のアトリエで洗浄などのメンテナンスをしてもらっています。ブラダンは楽器が重いと大変なので、その場で少し踊りながら吹いてみて、重さの調整をお願いしています。あと、管楽器を演奏する上で唇のケアは大事なので、リップクリームにこだわっています。いろいろ試してみて、どれがいいのかを研究しました。
Erna
わたしもMiyuと同じアトリエに通っていて、リップクリームも同じものを使っています。音楽面だけじゃなくビジュアルにもこだわっていて、たとえばそれぞれの個性が出るように、4人とも違う衣装とヘアメイクで、4人の個性が表現できるようにしているんです。
普段の練習では、力を入れずに吹けるようになるためのトレーニングを意識していますね。MOSの演奏では、吹くことだけに一生懸命になってしまうと踊れなくなってしまうので、意識しなくてもいい音が出せるようになるための練習をしています
普段の練習では、力を入れずに吹けるようになるためのトレーニングを意識していますね。MOSの演奏では、吹くことだけに一生懸命になってしまうと踊れなくなってしまうので、意識しなくてもいい音が出せるようになるための練習をしています
言葉を超えた魅力を世界に発信する、「ネオ吹奏楽」への挑戦
-MOSさんは、ブラダンのパフォーマンスを通して吹奏楽の素晴らしさを世界に届ける「ネオ吹奏楽」を提唱されています。2023年7月の『アメリカズ・ゴット・タレント』への出演をきっかけに、海外に向けて発信していきたい気持ちに変化はありましたか?
AMI
さらに強くなったような気がしますね。海外で活躍したいという夢がより現実的に感じられるようになりました。私たちは管楽器の魅力を伝えたいと思いながら「ネオ吹奏楽」を演奏していますが、海外で演奏した際には、言葉がない音楽だからこその伝わりやすさがあるんだなと感じました。
Lotta
私たちのルーツである吹奏楽を、あたらしいアプローチで表現したい思いが「ネオ吹奏楽」という言葉に込められているので、吹奏楽をよりポップに演奏することでみなさんと楽しさを共有しながら、「こんな吹奏楽もあるんだ」と感じてもらえるような、そんな音楽をやっていきたいと思っています。
この4人で活動してきて、より個々の楽器の魅力が際立つようになってきていると思いますし、常にいいものをつくり続けているつもりなので、今後メンバーのいいところをどんどん表現していくことで、MOSの魅力を伝えていけるんじゃないかなと感じています。いつだって今がいちばんですし、MOSは素晴らしいチームだと思うので、楽器の音にメンバーの人間性や個性がのるような音楽を、海外の舞台でも表現していきたいです。
この4人で活動してきて、より個々の楽器の魅力が際立つようになってきていると思いますし、常にいいものをつくり続けているつもりなので、今後メンバーのいいところをどんどん表現していくことで、MOSの魅力を伝えていけるんじゃないかなと感じています。いつだって今がいちばんですし、MOSは素晴らしいチームだと思うので、楽器の音にメンバーの人間性や個性がのるような音楽を、海外の舞台でも表現していきたいです。
ー最後に、管楽器を演奏している方へのメッセージや、これからはじめたいと考えている方に伝えたいこと、今後の意気込みについてお聞かせください。
Miyu
実は日本って吹奏楽部で管楽器を演奏したことがある人がそれなりに多いと思うんですね。でも、学校を卒業するとほとんどの人がやめてしまうので、できれば続けてほしいなと最近は特に思います。大人になってから「実は学生のころは吹奏楽部だったんだ」といった会話を聞くことも多いですし、楽器の経験でつながれることもあると思うので、ぜひ趣味として演奏を続けてほしいなと思います。
AMI
管楽器は見た目も音もかっこいいですし、いろんなジャンルが演奏できることが魅力だとも思います。最初は音を出すまでが難しいかもしれないですが、それを乗り越えた先に楽しさが待っているので、管楽器をはじめたばかりの方にはぜひ頑張ってほしいですね。
Erna
よく学生さんから「高音を出せるようになるにはどうすればいいですか?」と聞かれるんですが、私自身、繰り返し繰り返し練習することで音が出るようになったので、諦めずに練習するのがなにより大事だなと思います。自分にもできると思って練習すれば、ちゃんと低い音も高い音も出せるようになるので、頑張ってほしいですね。
あと、私は北海道の田舎出身で、当時はあまり情報に触れてなくて、吹奏楽の世界しか知らなかったんですね。そのあと、いろんな音楽のジャンルや表現に触れることで視野が広がり、管楽器の可能性を感じることができたので、もし管楽器や音楽に悩むことがあったら、いろんな情報を通して広い世界に触れてみてほしいなと思います。
あと、私は北海道の田舎出身で、当時はあまり情報に触れてなくて、吹奏楽の世界しか知らなかったんですね。そのあと、いろんな音楽のジャンルや表現に触れることで視野が広がり、管楽器の可能性を感じることができたので、もし管楽器や音楽に悩むことがあったら、いろんな情報を通して広い世界に触れてみてほしいなと思います。
Lotta
吹奏楽をもっと自由で、柔軟な音楽にしていきたいと私は思っているので、MOSが先頭に立って、「管楽器だって好きにやっていいんだ」と感じてもらえるような表現をしていきたいと思います。今年はライブ活動の予定がたくさんありますし、いつも応援してくれている国内外の方々にできるだけ会いにいきたいと思っています。
写真:川島彩水 取材・文:堀合俊博(a small good publishing)