時の経過が早く感じるのは...
僕は今年47歳になる。
10代の頃は、出会った大人の男性が30代前半でも皆おっさんだと思っていた。いまでは自分はその年齢をとっくに通り過ぎており、年下の30代の友達が自らをおっさんと呼ぶ場面も多く散見されるようになった。
ひと学年に一人は必ずいたおっさんというあだ名の彼はいま何をしているだろうか。我が時代がやってきたとばかりにおっさんの時代をを謳歌しているのだろうか。
学生の頃は、学校というシステムがあることで、日々のハプニングが多く、学年ごとの上下関係も明確だから時の経過を今よりも的確に感じていただろう。一日一日が、今よりも長く感じられた。
世間的にミュージシャンは不安定な職業として認識されているが、それも慣れてしまえば日々のルーティンは多少の波はあれど割と安定している。日々のルーティンが安定してくると時の経過に対する認識が甘くなる。それまでの生活で上手くやれた方法に依存してしまい、その方法を繰り返してしまうからだ。そして時の経過は早く感じるようになり、一日一日が、あっという間に過ぎ去る。
ミュージシャンは、おっさんと呼ばれる年齢にもなると、演奏のみでそこそこの稼ぎがある人、演奏以外のレッスン業務や執筆等で定収入を得る人、家に引き籠り音源製作やアレンジ仕事をこなす人、音楽以外の収入源を見つけ、それとうまく収入バランスをとっている人などその生活スタイルは様々。皆、何らかのかたちで生活の基盤を築き、そのルーティンが定着している。
周りを見渡すと、皆30歳前後でその基盤を築いていたように思う。定期的に安定した収益性を伴うバンドに所属する、または自ら始めたりするのは、この頃がいちばん多いパターンではなかろうか。20代前半で試行錯誤したものがようやく20代後半になって安定性を伴ってくるパターンだ。レッスン業務やその他の業務についても大体軌道に乗ってくるのはその頃ではなかろうか。