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ヤマハミュージックメンバーズ - Yamaha Music Members
ヤマハミュージックジャパン - Yamaha Music Japan

バイオリニスト・牧山純子さんに聞く、アコースティックの自然な響きを実現した「YEVPRO」の魅力とエレクトリックバイオリンの可能性

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2024年8月、ヤマハはエレクトリックバイオリンのあらたなラインアップとなる「YEV104PRO/YEV105PRO」を発表しました。 「YEVPRO」シリーズは、現行モデルである「YEV104」および「YEV105」をアップグレードし、よりアコースティックバイオリンに近づけた演奏性の実現と、ステージでの存在感を意識した3色のカラーバリエーションが特徴のプロ仕様モデルです。
このたび、11月8日の販売開始に先立ち、バイオリニストの牧山純子さんをお招きした試奏会を実施しました。牧山さんはレコーディングや演奏活動にて現行モデルを使用されており、YEVPROのカラーバリエーションの一種である赤い指板は、牧山さんからの要望で実現した別注モデルがきっかけとなって開発されたものです。本記事では、YEVPROを試奏された感想を牧山さんにうかがいながら、開発のプロセスや開発にかけた想いについてヤマハ株式会社B&O事業部の松嶋朗生が解説した試奏会当日の様子をお届けします。

アコースティックの演奏感を限りなく再現

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-さっそく試奏された感想をお聞かせいただけますか?

牧山
アコースティックバイオリンの箱鳴りの感じがよく再現されていて、まずはそこがすごいなと思いました。これまでのエレクトリックバイオリンでは、箱鳴りがないため自分が演奏している音の実感が持ちにくい傾向がありましたが、今回のモデルは、よりアコースティック楽器に近い感覚で演奏できると思います。

アコースティックに負けず劣らず綺麗な音が出るので、これ一本で音を切り替えながら演奏してコンサートにも使えそうだなと思いました。エレクトリックバイオリンの強みは音を変化させることができるところですし、アコースティックに近い音とエフェクターを使った尖った音を上手に使い分けることができれば、どんな音楽にも染まる楽器になるんじゃないかなと。

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松嶋
プロモデルではボディを空洞にしてスリットを入れることで、軽量化と同時にアコースティックの響きにより近づけることができたと思います。いかに自然な音色を出せるか、スリットのパターンをいくつも試作しながら検討し、実際に演奏した感じと、測定したデータを照らし合わせて開発を進めていきました。

演奏していて自然な感覚を表現する上で、あたりさわりのない音にならないように、あえて少し癖をつけた音作りをしています。ビブラートをかけた時の音色の変化はバイオリンの魅力のひとつですし、演奏者は無意識にそれを求めていると思うので、おもしろ味が感じられない音にならないようにバランスを探っていきました。同時に、ボディの材料にスプルースとメイプルを使用し、アコースティックと同じ材料の構成にしたことも、アコースティックに近い響きが生まれた一因だと思います。

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牧山
楽器を持った時に感じる重さが、アコースティックバイオリンとそこまで変わらないのがいいですね。演奏者にとって楽器が軽いことはとてもうれしいので、重いイメージがあったエレクトリックバイオリンを普通のバイオリンと同じ感覚で演奏できるのはすばらしいと思います。

あと、現行のモデルではリズミカルなフレーズやエッジのある演奏をする時に、弓がブリッジに当たる打撃音をピックアップが拾いやすく、工夫して演奏する必要がありました。このモデルの場合はそこまで気にしなくてもよさそうなので、さらにいろんな表現ができるんじゃないかなと感じますね。

松嶋
現行のモデルでは、シールドプレートと呼ばれるものを駒の両側に付けていたのですが、このモデルではさらに薄くしたプレートを片側だけに設置することで駒が動きやすくなり、より細やかな弓の動きを拾いやすくなりました。駒自体にも「A・R・E*」という処理をしているので、エネルギーのロスが以前より少なくなり、それによって明るく抜けのいい音色になっています。

*A・R・E…Acoustic Resonance Enhancementの略。短期間で木材を熟成させ、長年使い込まれた楽器のような鳴りを生み出す、ヤマハ独自の木材改質技術

日本的な美しさが生まれたカラーリング

松嶋
以前牧山さんにご希望いただいた赤い指板のアイデアをもとに、新商品ではカラーバリエーションの1つとして採用させていただきました。演奏に耐えうる塗装の開発には試行錯誤がありましたが、ヤマハのエレクトリックバイオリンは表面積が小さいため赤の指板がとても目立ちますし、ステージで存在感を発揮できる仕上がりにできたんじゃないかなと思います。

牧山
楽器にとって、スタイリッシュであることは重要だったりするんですよね。アコースティックバイオリンの美しさはステージで観客の視線を集める大きな要素なので、エレクトリックバイオリンもステージで目を引く楽器であってほしいと思います。

それに、クラシック以外の現場では、みなさんさまざまな色の楽器で演奏されているため、ナチュラルなカラーだと目立たないんですね。エレクトリックバイオリンは音を加工してエレキギターと競い合うような演奏ができるので、こういった目を引くカラーリングだと、より演奏者の存在感が出せると思います。結果的にこの楽器に興味を持ってもらえると思いますし、凛とした魅力があって私は好きですね。

-牧山さんが赤い指板の別注モデルを依頼された経緯をお聞かせいただけますか?

牧山
実は私のインディデビュー作品は、バイオリンでスムースジャズというジャンルに挑戦しておりまして。その翌年、ポニーキャニオンからのメジャーデビューが決まり、それ以降はアコースティックなジャズを演奏する機会や作品が多かったのですが、いつかまたスムースジャズをしっかり演奏してみたいという気持ちが募り、キングレコードへの移籍のタイミングでロサンゼルスへ行き、現地のミュージシャンとアコースティックのジャズに限らず、スムースジャズ、またロックっぽい雰囲気の楽曲を収録したアルバムを制作したんですね。それが2020年4月に牧山純子ニュープロジェクトという名義でリリースした『アレグリア』というアルバムです。そのアルバムをレコーディングする際に、いくつかの楽曲でエレクトリックバイオリンを使いたいと、ヤマハさんに相談させていただいたのがこの楽器との出会いでした。

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その時、クラシック漬けの私の人生ではじめてロックに触れることになったんですが、私の中でロックを弾くときは黒い衣装で演奏しているイメージが強くて(笑)。せっかくならバイオリンが目立ってほしいなと思い、「指板を赤にするのはどうですか?」と雑談ついでに相談してみたんです。その際に、我が家にある東北の伝統的な朱塗りの箪笥のイメージと写真をお伝えしたら、ヤマハの方々が一生懸命考えてくださって、最終的に日本的な上品さと美しさが感じられる、すばらしい仕上がりの楽器を製作していただきました。ぱっと見た時に薩摩琵琶っぽさもあって、ヨーロッパの楽器なのに、日本っぽさが感じられるのがすばらしいですよね。アルバムのプロモーションの際にはかならず持ち歩いていたんですが、みなさんこの楽器に興味津々でした。

-赤い指板以外のモデルも、一般的な黒いアコースティックの指板とは異なる色の素材が使用されているのが特徴的ですね。

松嶋
アコースティックバイオリンの指板には黒檀を使うことがほとんどですが、実は古い楽器にはメイプルを使っているものや、模様が入っている場合もあるんです。プロモデルの指板に使用しているメイプル材は、一般的にエレクトリックギターの指板にも使われている素材です。私自身、高校生の時にバンドでギターを演奏する機会があったのですが、今回のデザインはメイプル指板のエレキギターが好きだった経験からも着想を得ています。

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バイオリン演奏者の裾野を広げるために

牧山
バイオリンって、ストラディバリウスのように何億円もする高価な楽器というイメージがあって、手を出しにくいと思っている人は多いと思うんです。たしかに、鍵盤に触れれば正しい音が出るピアノとは違って、バイオリンは正しい音程で演奏できるようになるまでにもっとも時間がかかる楽器だとは思います。ただ、以前バークリー音楽大学に通っていた際に、ジャズの世界では独学の方がとても多いことを知ったんですね。楽譜は読めなくても、サーカスの一団でブルーグラスを演奏されている方もいて、もしかしたらバイオリンの入り口がクラシックしかないのは、日本特有の文化なのかもしれないですね。

バイオリンは演奏するのが難しい楽器ですが、かならずしもプロになる必要はないですし、こうやってアコースティックと比べて手に届きやすい価格帯の楽器があることで、今後はエレクトリックからバイオリンをはじめる方が増えていくといいですね。

松嶋
確かに、これまでバイオリンは独学では習得できない楽器だと思われていましたが、最近は動画で演奏を学ぶ方法も普及してきているので、自分自身でも習得できる楽器として徐々に浸透していくのかもしれないですね。楽器をはじめるきっかけは何だっていいと思うので、今後バイオリンをはじめる際のあたらしい選択肢としてもエレクトリックバイオリンを選んでもらえたら嬉しいですね。

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ヤマハB&O事業部の松嶋が持っているのはYEV104です

-牧山さんは今年の6月にニューアルバム『クラシカルトリオ2』をリリースされました。今後の活動についてお聞かせください。

牧山
『クラシカルトリオ2』は、ピアノ・チェロ・バイオリンのトリオ編成でクラシックをジャズアレンジした楽曲を収録したアルバムです。2022年にリリースした『クラシカルトリオ』に続く第2弾で、今回はジャズの重要な要素であるリズムによりフォーカスし、ドラム・パーカッションを取り入れながらクラシックとジャズの融合に挑戦しています。

今年の秋には香港のピアニストとのコラボレーションで、チェロ、バイオリン、パーカッションに三管を入れたコンサートのアレンジをする仕事があるので、この楽器で何曲かつくってみるのも楽しそうだなと思っています。楽器の音が変われば自分のなかから湧き出てくるものも自然と変わるので、まったく違う楽曲が生まれる気がしますね。野外フェスなどでも使ってみたいですし、またあたらしい目標をいただけたような気持ちです。

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もっと多くの方にバイオリンを手に取っていただくためには演奏者の裾野を広げていくことが大事だと思うので、これから自分にできることは、心豊かになる時間を過ごすことができるバイオリンの魅力を、演奏活動を通して伝えていくことだと思っています。

-最後に、今後YEVPROを手に取る方へメッセージをお聞かせください。

松嶋
アコースティックバイオリンのような感覚で演奏できる楽器を目指しましたが、同時にアコースティックとは違う表現ができる楽器に仕上がっているので、ステージで演奏される方はもちろん、趣味で演奏される方にとっても、インスピレーションをもらえる楽器としてお使いいただけるのではないかと思います。私自身、普段演奏している楽曲にエレクトリックバイオリンを使用してみるとまたあらたな発見があるので、あたらしい可能性を探求されたい方にぜひ手に取っていただきたいですね。

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写真:中川良輔 取材・文:堀合俊博(a small good publishing)

牧山 純子(バイオリニスト)
4歳からバイオリンを始める。武蔵野音楽大学卒業後、フランスで研鑽を積み、ソリストとして活躍。その後、アメリカのバークリー音楽大学にてジャズバイオリンを学び、ゲイリー・バートン、デイヴィッド・フォスター、マイケル・ブレッカー、上原ひろみといった著名アーティストとの共演を果たす。
2003年にはStrings Department Achievement Awardを受賞。
2008年にジャズバイオリニストとしてメジャーデビューを果たし、2020年にはロサンゼルスで現地ミュージシャンと共に録音を行い、アコースティックとエレクトリックバイオリンを融合させた新しいスタイルを発表。
2021年8月にはブルーノート東京でソロライブを開催。
2022年には、バイオリン、ピアノ、チェロによるクラシックピアノトリオ編成で、自らジャズアレンジしたクラシック名曲のアルバム『Classical Trio』をリリース。ファンの要望に応え、2024年6月には第2弾となる『クラシカルトリオ2』を発表。今作ではパーカッションとドラムを加え、より深みのあるサウンドを実現。一見大胆とも思えるアレンジの妙と、さらなるジャズとクラシックの融合を見せ、劇的な進化を遂げたアルバムは、Amazonの売上ランキングとほしい物ランキングで1位を獲得。丸の内コットンクラブをはじめ全国各地でのリリースライブも好評を博している。
また、演奏活動だけでなく、情報番組のコメンテーターやラジオパーソナリティとしても活躍し、多岐にわたる分野で進化を続けている。

2024.10.04
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