【前編】音にこだわり、耳を育てる。ゼロからはじめる宅録入門

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「自宅録音」はいつでもはじめられる

自宅のベッドルームに設えた小さなスタジオで生まれた音楽や、スマートフォンやタブレットだけで制作された音楽が世界的なヒットを記録するなど、近年、音楽制作におけるプロフェッショナルとアマチュアの境目はなくなりつつあります。無料の音楽制作ソフトウェアや、手の届きやすい価格の録音機材が流通するようになり、まとまった資金がなくても、すぐに音楽制作がはじめられる時代になりました。

しかしながら、その気になればいつでもはじめられるというこの状況は、もしかすると、はじめるタイミングが見つからない状況とも言えるかもしれません。何から手をつけたらいいのかわからない方や、音楽制作の奥深さを前に、なかなか踏み込めない 方も少なくないはずです。

前編・後編からなる本記事では、ビギナーの方に向けて、自宅での音楽制作=宅録のプロセスを「1.録音」「2.打ち込み」「3.ミックス」「4.練習」の4種類に分け、それぞれについての簡単な説明と、おすすめの機材をまとめました。なるべく専門用語を省き、情報は必要最低限に絞っているため、ゼロからの宅録入門としてお読みいただけると思います。また、マンションやアパートなど、あまり大きな音量で演奏ができない住環境にも配慮しました。

機材の紹介にあたっては、ヤマハ製品に加え、ヤマハグループブランドであるSteinberg・Line 6・Ampegの製品からも、比較的手の届きやすい価格の入門機をセレクトしています。まずはここで紹介した機材のリストを足がかりに、少しずつご自身の音楽のスタイルに合わせた制作環境を整えてみてください。