みなさま、こんにちは。今回は国内外で活躍されている人気オルガニストの石丸由佳さんにインタビューをさせていただきました。
石丸さんは、以前にバイカウントオルガンでミニコンサートやレッスンをしていただいたことがあります。ホールオルガニストとしてもご活躍の石丸さんのインタビューを是非ご覧ください。
石丸由佳さん
Q1 2020年4月1日からりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館のホールオルガニストにご就任されていますが、ホールオルガニストのお仕事について具体的に教えていただけますでしょうか。
A1 りゅーとぴあでの演奏会出演は勿論、その企画や出演者の調整、市民講座やこどものワークショップなどの企画、 講師をする他、常に楽器を弾きこんで状態を把握しておくことも大事な仕事です。
Q2 楽器を弾き込むことは、オルガンをよりよい状態にする確認作業のようでもありオルガンを診察しているようですね。オルガンにとって大切なコンディションとはどのようなものでしょうか?
A2 オルガンの温度と湿度管理はとても大事で、常に一定であることが望ましいです。もしエアコンが常についていない場所にある場合は、急激な変化がないように注意する必要があります。
Q3 りゅーとぴあのオルガンについて特徴やアピールポイントなど教えていただけますでしょうか。
A3 スペイン・グレンツィング社製、69ストップの楽器で、スペインバロック様式の典型的な色彩を持っています。演奏者の頭上に並ぶ水平トランペット管はスペインのオルガン特有のものです。さらに背中に左右に分かれて配置されているリュックポジティフもこの楽器の大きな特徴です。
りゅーとぴあ新潟市民文化会館のパイプオルガン |
❶スパニッシュトランペット |
Q4 昨年より小型なパイプオルガンのあるオルガンスタジオを開設されましたが、オルガンの特徴などご紹介いただけますでしょうか。
A4 このオルガンは、コンサートホールの巨大な楽器に比べると勿論かなり小規模なものですが、細かなタッチ、パイプの発音を聞きながらの演奏・勉強をするのに最適です。オルガンは教会や学校など公共の場に置かれる楽器で、レッスンや練習をするにはどうしても制約が多くなるので、気軽に、もっと身近にオルガンを…という想いで「ココペリオルガンスタジオ」をつくりました。
ココペリオルガンスタジオ
Q5 パイプオルガンは小型といっても一音に一本のパイプが必要ですが、このオルガンには何本のパイプがありますでしょうか?また、重さなども教えていただけますでしょうか?
A5 パイプは約700本あり、重さは約2トンになります。
Q6 コロナ禍でまだまだコンサート活動などでも制約がある毎日かと思いますが、今年のコンサートの予定などお教えいただけますでしょうか。
A6 2021年5月9日(日)にサントリーホールにて
石丸由佳オルガン・リサイタル ― J.S.バッハと夢見る宇宙―
という演奏会を予定しています。
一般社団法人 星つむぎの村のご協力をいただいてのプラネタリウム投影、理論物学・理学博士の佐治晴夫先生をゲストにお呼びしてのお話しを交えながらサントリーホールのオルガンの音色をお楽しみいただきたいと思います。
「石丸由佳 オルガン・リサイタル - J.S.バッハと夢見る宇宙 -」
【日時】 2021年5月9日(日) <開場>13時30分 <開演>14時00分
【会場】 サントリーホール 大ホール
1階席:4,800円 2階席:3,800円 《2021年3月6日発売》
※2階席は座席によって、プラネタリウム投影が見えにくい場合がございます。
<おはなし> 佐治晴夫(理論物理学 理学博士・北海道「美宙」天文台台長)
<プラネタリウム投影> 一般社団法人 星つむぎの村
【第1部】
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
J.S.バッハ:われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ BWV639
ほか
【第2部】
マスネ:タイスの瞑想曲
バルムグレン:星は瞬く ほか…
Q7 2枚目のCD「オルガン・オデッセイ」では宇宙とオルガンをテーマに録音されていましたが、コンサートホールでプラネタリウムの投影をしながらパイプオルガンの音色を奏でるのはオルガン愛好家だけでなく、宇宙や星に関心のある方々も楽しまれるすてきなコンサートになりそうですね。
最後に、今世界中が新型コロナウイルス蔓延で大変な時期になっております。そんな状況下の中、癒される、元気が出るおすすめの曲をオルガンファンの方に教えてください。またメッセージもいただけたら幸いです。
1)もし癒されるオルガン曲を1曲選ぶとしたら、おすすめの曲は?
2)もし元気が出るオルガン曲を1曲選ぶとしたら、おすすめの曲は?
3)オルガンファンの方へのメッセージをお願いします。
A7
1)私がお薦めの癒される曲は、J.S. Bachの「最愛のイエスよ、我らここに集いて 」BWV731です。元のコラールが美しいのはもちろん、ゆったりと流れる右手の装飾と和声進行が綺麗で好きです。演奏会のアンコールでもよく演奏します。
2)元気が出るお薦めの曲は、J.S.バッハ/M.デュプレ編曲: シンフォニア (教会カンタータ 「神よ、われら汝に感謝す」BWV29より)ですね。編曲ものですが、爽やかな風が吹き抜けていくような、オルガンにもぴったりな作品です。
3)風が奏でるオルガンの音色には癒しの力があります。心の免疫力アップに是非オルガンを聴いてみてください。
石丸さん、すてきなメッセージとおすすめの曲をご案内いただき、ありがとうございました。
今後、ますますの石丸さんの「新しい形でのオルガン文化」発信を楽しみにしております。
石丸由佳(オルガン)プロフィール
東京藝術大学卒業、同大学院修了。デンマーク王立音楽院、シュトゥットガルト音楽大学にて国家演奏家資格取得。世界的権威のあるシャルトル国際オルガンコンクールで優勝、併せてJ.アラン賞受賞。パリのノートルダム大聖堂等ヨーロッパ10か国以上の各地、また日本全国でリサイタルを行っている。国内外の主要オーケストラと多数共演。テレビ朝日「題名のない音楽会」、NHK紅白歌合戦に出演するなど幅広く活躍中。情熱的で豊かな音楽性と高度な演奏テクニック、楽器の個性を活かした緻密なレジストレーションは各所で高い評価を受けている。2019年、キングレコードより2枚目のCDアルバム「オルガン・オデッセイ」、2020年10月には「オルガン・クリスマス」をリリース。2020年4月より新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ専属オルガニストに就任。武蔵野音楽大学非常勤講師。
石丸由佳さんのHP
ココペリオルガンスタジオHP/
新潟市内でバイカウントオルガンをご試弾いただけます!!
もしオルガンに興味を持たれた方、今後、りゅーとぴあのオルガンを体験する前に練習してみたいという方は、現在、新潟市内のわたじん楽器ユニスタイル新潟センターではバイカウントのクラシックオルガン(Unico CL4)があり、練習などにオルガン貸出をされています。
2段手鍵盤で35ストップ(音色)です。詳細は、webサイトからお問合せいただけます。
今後もバイカウントオルガン通信申込者の方々のオルガンライフにお役立ちとなる情報をお届けしてまいりたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。