原神の音楽世界を一層楽しめる！ピアニストYouTuberが魅力を深める「TAKEOUT SHOW」とのコラボ

不思議な世界の旅人としてさまざまな仲間と出会いながら共にチャレンジをクリアし冒険を行うRPG「原神」。緻密なストーリーはもちろんのこと、その世界をドラマチックに盛り上げ、ゲームに没入させる音楽もその魅力の一つだ。今回、「テイワットの音楽世界に飛び込もう！」をテーマに、「原神」とヤマハの店舗がコラボレーションを実施する。「TAKEOUT SHOW」を活用したピアニストYouTuberの演奏風景の映像上映や、楽譜の展示、またスペシャルグッズがもらえるキャンペーンも行う。

今回は、原神の音楽世界を紐解くべく、ゲームの特徴やコラボレーションに登場するピアニストの魅力を紹介する。

舞台となるテイワットの幻想的な世界

「原神」の舞台は、「テイワット」という幻想世界。さまざまな個性豊かなキャラクターと出会い、旅と冒険を行っていく。ゲームは、主にメインストーリー（物語）に沿って進んでいく。

ことの始まりは、双子の兄妹でさまざまな世界を旅してきた旅人（主人公）とその片割れが「“天理”の調停者」という謎の神に襲撃され、眠らされてしまうところから始まる。眠りから覚めると、兄もしくは妹がいなくなっていることから、その姿を探すことこそがゲームの目的だ。その後に出会うパイモンのナビゲートで、世界を冒険していく。

美しく鮮やかな映像と、細やかに練られたストーリー、そしてそれらにふさわしい上質な音楽。「ゲーム」というスタイルに留まることなく、一種のアニメに浸れるような世界観が繰り広げられている。

アコースティックで民族的な音楽の数々

音楽は、ゲーム会社「miHoYo」の音楽チーム「HOYO-MiX」が担当。その魅力の一つは、さまざまなアコースティックの音が溢れているところにある。オーケストラはもちろんのこと、ピアノや木管楽器などがソロで美しく旋律を奏でたり、ハープが登場したり、歌声も聴こえたり、オーケストラには登場しないさまざまな楽器も使用されていたり……。

そう、「原神」にはオーケストラなど西洋に留まらずさまざまな国や民族の楽器が登場する。旅人が訪れる国の特徴や環境、イメージによって使用楽器が使い分けられていて、それによって作風も大きく異なる。そのため、それぞれの音楽から民族性を感じることができ、ヨーロッパやアジア、特に日本や中国など、実在する国特有の音楽からインスピレーションを受けて制作されているのも興味深い。

さらに、いずれの音楽もドラマチックでありながら、どこか感傷的で切なくもある。戦闘シーンだけれども、キャラクターの感情に寄り添ったエモーショナルだったりもする。冒険ならではのワクワク感を醸し出しつつも、人間的な思いやドラマに焦点をあてているのか、必然的にプレイヤーは旅人に感情移入しやすくなっている。

「テイワット」にある特徴的な国々

そもそも「テイワット」は、7つの元素が絡み合う幻想世界のことを指している。主人公はテイワットを冒険するうちに、さまざまな国に足を踏み入れることになる。国ごとに世界観や出会うキャラクターも大きく違い、それらを堪能できるのも原神の魅力だといえる。では、国ごとにどんな特徴があり、いかに音楽が展開していくのだろうか。

モンド

テイワット大陸北東部に位置し、風元素の土地である「モンド」。大きく迫力のある壁が特徴的な城があり、レトロで中世ヨーロッパを思わせる世界観が広がっている。周辺には新緑や澄み切った湖などもあり、非常に美しい。音楽も、そんな美しい自然環境を表すのにぴったりな穏やかな作風が特徴的だ。木管楽器やマリンバのような温かみのある楽器のソロが多く登場し、牧歌的な印象を受ける。一方で戦闘シーンの音楽や聖歌などでは本格的なパイプオルガンが使用されていて、ヨーロッパならではの趣を感じさせることも。

璃月

テイワット大陸の東部に位置する、岩元素の港町である「璃月」。ゴツゴツとした岩や山、石林、棚田、河原などがあり、自然の恵みに溢れた土地であることが特徴的だ。

璃月に登場する音楽は、思わずスキップしたくなるようなものが多い。オーケストラのサウンドが開放的で、大自然に身を委ねたくなるような作風に仕上げられている。また、中国の伝統楽器が多く登場するのもポイントの一つ。歌心あふれる二胡や、郷愁を感じさせる笛、語り部のような琵琶など、印象的な音の数々がオーケストラに融合する形で登場する。

稲妻

「稲妻」はテイワット大陸の東方にある島々であり、周囲から隔離された鎖国状態になっている。さらに、過去の度重なる災害や戦災の痕跡が残るほか、雨や雷が頻発する気候状況であることから、人間が住むには適していない環境ともいえる。

「稲妻」では、「璃月」に続き伝統楽器が多く使用されている。ここでは中国の楽器ではなく、尺八や箏、三線などの和楽器が登場し、日本ならではの音楽の音階が使用されている。楽しげな作風から一変し、深刻さや切実さが垣間見えるような音楽が特徴的だ。

スメール

「スメール」はテイワット大陸の中西部に位置する。雨林と砂漠が混在している特殊な国であり、同時に学術の国でもある。知恵や遺跡を探し求めてやってくる旅人が多い。

音楽制作チームは、こうした国の特徴を踏まえて、「スメール」に南アジアの熱帯雨林や砂漠を重ね合わせ、バーンスリーやシタール、タブラ、ドゥドゥクといったインドの楽器を多く使用している。知的で揺らぐような旋律や、控えめなハーモニー。その神秘的な世界観に、旅人が慎重に探るように冒険していく様子が目に浮かぶ。

音楽を体感できる「TAKEOUT SHOW」とのコラボレーション

豊かな音楽を堪能するべく活用されるのが、ヤマハの「TAKEOUT SHOW」だ。本来ならば、このスタジオの中でピアノが演奏でき、その様子を録画し持ち帰ることのできる体験サービスなのだが、今回は通常とは違う体験ができる。それが、4人のピアニストYouTuberが原神の音楽を演奏している映像を、スタジオの中で臨場感たっぷりに体感できるというものだ。

このコラボレーションの経緯について、ヤマハの担当者の豊田真規さんは「原神ではオーケストラ編成の楽曲があるなど、ゲームそのものの音楽にも力を入れています。そこで楽器メーカーであるヤマハとの親和性を活かして、原神のファンの方々や、ヤマハにお越しいただく音楽好きの方々が、原神の音楽を楽しんでいただけるのではないかと考え、スペシャルなコラボを実現することになりました」と話している。

多彩なYouTuberたちが「原神」の音楽を深める

演奏動画を担当したのは、4人のピアニストYouTuber。どんなYouTuberが登場するのか。
1人目は、よみぃ。自身の持つ2つのYouTubeチャンネルでは、合計で登録者数およそ270万もの人数を誇っている。作曲家やピアニストとしての顔を持ちながら、ゲーム「太鼓の達人」もエキスパートであるという一面も。豊田さんは「よみぃさんは、オーケストラの音楽やゲーム音楽などのピアノアレンジに定評があり、原神の楽曲をどのようにピアノで表現していただけるのかを期待してオファーしました」とその魅力を語っている。

2人目は、ハラミちゃん。ストリートピアノでの演奏に定評があり、クラシックやJ-POP、アニメソングなど幅広い音楽を演奏する迫力ある様子や、広瀬香美や幾田りらなどの人気アーティストとのコラボレーションなど、その多彩な引き出しを活かして幅広い動画が配信されている。「ダイナミックな部分や、繊細に歌うような演奏で人を引き込む魅力がある」ことが決め手となり、演奏者の一人としてオファーされたという。

3人目は、けいちゃん。クラシックを軸にジャズや即興演奏などを横断しながら、旧来の型にはまらない演奏で人々を惹きつけている。今回のオファー理由として「ジャズをベースにした斬新なアレンジに魅力があるため」と豊田さんがコメントしているように、玉手箱のように音楽を展開させていく確かな技術はもちろんのこと、表現力も抜群。原神の幻想的な世界を鮮やかに体現するのにピッタリだと言える。

4人目は、ベントーヴェン。さまざまな楽曲のカバーを行ったり、ヒットソングの分析をしたりと、ピアノを通じてさまざまな動画をアップロードしている。実は本人が「原神」をプレイしているそう。プレイヤーとしての視点と、演奏者・クリエイターとしての彼の力が、どのように混ざり合っているのか、この目で確かめたいところだ。

豊田さんは、「原神の世界観をピアノで表現していただくにあたり、アレンジ力があり、カラーの違うYouTuberさんにアレンジと演奏をお願いしました」と語る。原神にはいくつかの国やさまざまな冒険シーンが登場することにも触れ、「その様子を表現する多くの凝った音楽をYouTuberさんにそれぞれアレンジしていただくことで、新たな原神の音楽の魅力を引き出せるのではと思いました」とも。

今回のコラボレーションは、東京（銀座）、名古屋、大阪なんばの３つの店舗で展開する（TAKEOUT SHOWとのコラボレーション動画上映は銀座のみですが、関連情報で4人の上映動画がご覧いただけます 2023年10月25日追記）。音楽ファンにもゲームファンにもピッタリのコラボレーションになるに違いない。

文：桒田萌