みなさま、こんにちは。
今回は以前の動画特集で取り上げました「バイカウント 関連動画」ページ内に新たに公開された新作動画についてご紹介・ご説明いたします。新作動画は下記の4本がございます。まだご覧になっていない方は勿論、既にご覧になった方も再視聴により新たな発見があるなど、皆様のお役に立てる内容かと思っております。
また新作動画でアドバイザーとしてご出演いただきましたオルガニストの山田佳奈さんに、各動画の見どころ・聴きどころについて解説コメントをいただいております。出演者視点からの解説もぜひお楽しみください。
山田佳奈
<1>クラシックオルガン ブラッシュアップ講座 Part I~結婚行進曲~
結婚式の定番曲「結婚行進曲」を例に、バイカウントオルガンを使った初心者向け講座をご案内しております。
ちょっとしたコツを掴むだけで、上手く演奏出来る内容となっています。
◎山田佳奈さんによる「見どころ・聴きどころ」解説
今も昔も結婚式の不変の王道人気NO.1といえばメンデルスゾーンの「結婚行進曲」。
ピアノやエレクトーンを演奏される方はこれまで、ご家族や友人、生徒さんなどの方々に奏楽を頼まれる機会があったのではないでしょうか?
この動画では「足鍵盤を使わずに手鍵盤のみでカッコ良く弾ける」ポイントをまとめました。
クラシックオルガンだけが持つ機能を使いますのでご注目ください。
また音色の選び方、メモリーの組み方については動画にて解説しておりますが、一時停止・静止画にしてご覧いただくとより解りやすくなると思います。
◆動画はこちら
<2>クラシックオルガン ブラッシュアップ講座 Part II~「聖母マリアの祈り」前半編~
バイカウントブラッシュアップ講座 Part Iに引き続き、Part II 【前半編】では、オルガンを演奏する上で大切な「音色選び」などの事前準備や、バイカウントオルガンの機能活用方法を、演奏を交えご紹介しています。
オルガン演奏に役立つちょっとしたコツが満載です。
◎山田佳奈さんによる「見どころ・聴きどころ」解説
最初に、今回の演奏曲目「聖母マリアの祈り」についてプチトリビアをご紹介します。
楽譜には「Prière à Notre Dame」と記載されておりますが、なぜ日本では「ノートルダムの祈り」ではなく「聖母マリアの祈り」と訳されるのでしょうか?
フランス語では「ノートル=ダム(Notre Dame)」は「我らの貴婦人」という意味で、イエス・キリストの母である「聖母マリア」を指すのです。
それゆえに世界各地に「ノートルダム」とつく教会が多いのだそう!へぇー。
この動画では、オルガンの音色選びについて触れています。
お料理前、冷蔵庫の中に、何の食材があるか確認するイメージです。
ご自宅のオルガンや、教会のオルガンにはどんな音色があるのか、ぜひ楽しみながらそれぞれの音の特徴を掴んでください。
◆動画はこちら
<3>クラシックオルガン ブラッシュアップ講座 Part II~「聖母マリアの祈り」後半編~
バイカウントブラッシュアップ講座 Part II 【前半編】に引き続き、演奏曲を使いながらバイカウントオルガンの様々な機能とその活用方法をご紹介しております。最後には演奏曲では使用しなかったものの、覚えておくと演奏に役立つ機能について、「【補足】その他の便利機能」として解説しております。
◎山田佳奈さんによる「見どころ・聴きどころ」解説
この動画の見どころは「足鍵盤のアップ」です。
奏者の足元アップ動画はあまり数が多くないかと思います。つま先、かかと、クレッシェンドペダルの使い方など、手鍵盤と足鍵盤、2画面構成になっておりますのでぜひ注目してご覧ください。
また動画の最後は私がよく「バイカウントの隠しコマンド」などと例える、知って得する操作・機能の魅力が満載です。
【トランスポーズ=移調機能】
→アンサンブルで使用する事が多いです。(瞬時に移調する事が苦手な方にオススメ)
【古典調律】
→ミーントーン等、様々な調律方法を選択できるので、こだわりのある方にも満足頂けると思います。
【オーケストラボイス】
→チャイム、チェレステ、ピアノなどの音も。イベント時にぜひ。
★上記以外で私のオススメは「プリセット」されている①〜⑥の6音色です。
それぞれのメモリーは、PP→P→MF→F→FF→Tutti と徐々に大きくなるようにストップが組まれています。
動画では、Pから始まり、Tuttiで終わる曲のイメージ曲としてパッヘルベルのカノンを選びました。
ピアノと大きく違う点は手鍵盤で音数を増やさなくても、ストップで音の厚みを加えるだけで重厚感、華やかさが格段に増す事です。教会の礼拝で使うコンビネーションとしてもオススメです。
※ 今回は8小節ごとに次のメモリーに変えています。
メモリーチェンジには足元のフットピストンを使用。
プリセットされている6種類の音の響きと雰囲気をぜひ感じてください。
◆動画はこちら
<4>クラシックオルガン ブラッシュアップ講座 Part II~「聖母マリアの祈り」模範演奏(フルバージョン)~
バイカウントブラッシュアップ講座 Part II で使用した聖母マリアの祈りの模範演奏動画(フルバージョン)です。
◎山田佳奈さんによる「見どころ・聴きどころ」解説
「聖母マリアの祈り」の作曲者「レオン・ボエルマン」をご存知でしょうか?
18世紀末のフランス革命で国内のオルガンの多くは教会と共に破壊されてしまいましたが、19世紀半ばの教会再建に併せて、カヴァイエ=コルによる新しいタイプのロマン派オルガンが設置されはじめました。
そこで、今年生誕200年のセザール・フランクをはじめ、カミーユ・サン=サーンスら、「フランス・オルガン交響楽派」と呼ばれる作曲家達は、オーケストラの響きを理想とする作品を多く作りました。
この流れに属するのが、レオン・ボエルマン(1862~1897)なのです。
作曲家やピアニストとしても活躍しましたが35歳の若さでこの世を去りました。
彼のオルガン分野の代表作が「ゴシック組曲」であり、この「聖母マリアの祈り」は3曲目になります。
そんな時代の流れに思いを馳せながら、ぜひ動画をご覧いただき、弾いてみてください。
◆動画はこちら
いかがでしたか。従来バイカウントサイトになかった講座形式の動画となりましたが、オルガン演奏未経験の方・しばらく演奏されていない方には始めるきっかけに、また演奏されている方には演奏活動の一助に少しでもなれていれば幸いです。今後もオルガン愛好家の皆様の充実したオルガンライフを更にサポートできるよう、コンテンツの充実化に力を注いでまいります。
山田佳奈 プロフィール
玉川大学芸術学部芸術学科オルガン専攻卒業。日本オルガニスト協会主催オルガン新人演奏会出演。
オルガンを中村岩城、松居直美、Olivier Penin各氏に師事。
これまでに東京室内管弦楽団、パシフィックフィルハーモニア東京、東京混成合唱団等との共演をはじめ、CHANEL等の企業イベント、CD録音、TVドラマ、ラジオ等への出演等ジャンルを問わず幅広い活動を行う。
2011-2019年日本橋三越本店オルガニストを経て、2019年夏よりフランス、パリにてOlivier Penin氏に師事。オルガン国際マスタークラス等で研鑽を積む。
現在、日本オルガニスト協会会員。
12月11日(日)13:00開催!「エレクトーン鷹野雅史×オルガン山田佳奈 コラボライブ」のご案内
今回の記事で解説コメントをいただいたオルガニスト、山田佳奈さんが出演されるエレクトーンとのコラボライブが、2022年12月11日に開催されます。ヤマハのYouTubeチャンネルよりライブ配信・一部アーカイブ公開いたしますので、エレクトーン奏者の鷹野雅史さんとの魅力あふれる演奏を是非ご視聴下さい。なお演奏機種はバイカウントクラシックオルガン
◆本ライブの主催:ヤマハミュージック 名古屋店