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クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、変化の旅。新作アルバム『Perfecth』と2026年11月の来日公演発表

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのニュー・アルバム『Perfecth』が2026年10月30日に発表される。
通算9枚目のスタジオ・アルバムとなる本作。ギタリスト兼ヴォーカリスト、ジョシュ・ホーミの歌唱と“揺らぎ”のあるメロディは健在だが、バンドの個性のひとつだった彼のハードなディストーション・ギターはかなり減少。ストリングスを交えるなどしてサウンドに厚みをもたらしている。
そんな大胆な変化にファンからの賛否両論があることを予想してか、バンドはロック史上初(?)の苦情受け付けホットラインを設置(電話番号はネットで検索のこと)。わずか3、4日で6千件を超える電話の着信があったという。もちろんバンドもギャグでやっているのだし、まだアルバムが発売になってすらいないので、ファンも面白がって「お前ら最低だ!」「アホ!」などメッセージを残したのだろう。
世界のファンは、ジョシュがそのキャリアを通じてさまざまな変化を経てきたことを知っている。そして、そんな変化を新鮮な驚きと喜びで迎えてきたのである。

ジョシュ・ホーミ、カイアスの原点

ジョシュ・ホーミの原点となったのは、カリフォルニア・デザート(砂漠/土漠)の音楽シーンだ。娯楽が少なくライヴハウスもないこの地域では1980年代、発電機をバンに積んで何もないデザートで毎週末“ジェネレーター・パーティー”が開かれたが、その中で頭角を現したのがカイアスだった。ジョシュとハイスクールの仲間たちで結成されたこのバンドはヘヴィ・サウンドとオールドスクールなサイケデリック・ジャムで支持を得て全米、そして世界へと進出していく。
メジャーの“エレクトラ・レコーズ”と契約した第2作『ブルース・フォー・ザ・レッド・サン』(1992)はヒットこそしなかったものの、じわじわとカルト的な支持を獲得。『ネヴァーマインド』で飛ぶ鳥を落とす勢いだったニルヴァーナのデイヴ・グロールが個人的に数十枚買って友人に配って歩いたという逸話も同作への注目度を集めた。続く『スカイ・ヴァレイ』(1994)『...アンド・ザ・サーカス・リーヴズ・タウン』(1995)でさらに人気を高め、ヨーロッパ・ツアーも成功。メタリカのオセアニア・ツアーでサポートを務めるなどするが1995年、ジョシュは脱退を表明する。「“こうあるべき”という固定されたイメージに囚われていた。もっと音楽で冒険をしたかった」と後に語っているが、それでカイアスは解散することになった。

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ始動

ジョシュはスクリーミング・トゥリーズのツアーでセカンド・ギタリストを務めた後に新バンド、ガンマ・レイを結成する。ドイツに同名のヘヴィ・メタル・バンドがいたことから、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジへと改名した。
1997年、コンピレーション『Burn One Up! - Music For Stoners』が編まれるにあたって、フー・マンチュー、スリープ、カテドラル、そしてクイーンズなどを網羅するジャンル名として考案されたのが“ストーナー・ロック”だった。実はその呼称が生まれた“ロードランナー・レコーズ”の会議にジョシュは同席しており、企業の思惑で生まれたこの呼び名を今なお毛嫌いしている。このときカイアスは既に存在しないにも拘わらず、ストーナー・ロックの代表格のバンドとなってしまった。
クイーンズのファースト『クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ』(1998)は反復するギター・リフがトランス感を生み出すサウンドでカイアス時代からのファンも魅了したが、第2作『R指定』(2000)では緩急をつけた奇想天外なソングライティングが開花。メタルの祭典といわれる北米“オズフェス”ツアーに参加した彼らのライヴを筆者(山﨑)はニューヨーク州サラトガ・スプリングスで見ることが出来たが、オジー・オズボーン、パンテラ、ソウルフライなどのメタル勢の中で個性が際立っていたのが印象に残っている。
クイーンズが初めて日本を訪れたのが2002年の“フジ・ロック・フェスティバル”だった。まだ日が出ている時間帯にステージに上がった布陣はジョシュに加えてデイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、マーク・ラネガン(スクリーミング・トゥリーズ)、カイアス時代の盟友ニック・オリヴェリというスーパーグループ編成。このときの凄演の勢いに乗って、翌2003年には単独ツアーも成功させている(デイヴはいなかったが)。

続いていくクイーンズの変化

いよいよ日本でもクイーンズ旋風が巻き起こるか、と思われたが、彼らは2005年の“フジ・ロック”、2008年の“サマーソニック”への出演をキャンセル。2010年にはジョン・ポール・ジョーンズ(元レッド・ツェッペリン)とデイヴ・グロールとのスーパー・プロジェクト、ゼム・クルキッド・ヴァルチャーズで“フジ・ロック”参戦を果たしたが、その翌年、2011年の“フジ・ロック”へのクイーンズ出演が発表されながらもまたもキャンセルとなっている。
この時期ジョシュはアークティック・モンキーズやイギー・ポップとも共演を請われるなど、メインストリームのロック・シーンでの評価を上げていった。そんな流れで世に出たのが『...ライク・クロックワーク』(2013)だった。一歩先をも予想させないソングライティングは豊富なイマジネーションに彩られたもので、エルトン・ジョン、トレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ)、ジェイク・シアーズ(シザー・シスターズ)、アレックス・ターナー(アークティック・モンキーズ)らのゲスト参加も単なる顔見せでなく、音楽性の幅を広げ、スリルをかき立てるものだった。
バンドにとって音楽面での大きなターニングポイントとなったこのアルバムが全米チャート1位に輝いたことで、彼らは世界中で引っ張りだこに。さらに日本から遠ざかるのでは?……と思わせたが、2017年の“フジ・ロック”で帰還。2018年には“サマーソニック”、2024年には単独ツアーと、コンスタントに来日公演を行ってきた。
そして2026年に実現するのが『Perfecth』のリリース、そして11月のジャパン・ツアーだ。2024年にパリの地下納骨所(カタコンブ・ド・パリ)での観客を入れずに行ったライヴを収録したコンサート・フィルム/EP『Alive In The Catacombs』を発表。それに伴うアコースティック主体、レア曲を含むライヴのツアーではジョシュがギターを持たずヴォーカルに専念することもあったことから、そんな要素がどのように反映されるか、期待が高まる。1987年、ハイスクールでカイアスの前身バンド、カッツェンジャマーを結成してからもうすぐ40年。ジョシュとクイーンズの変化の旅は続く。

■アルバム『Perfecth』

アルバム『Perfecth』
発売元:BEATINK
発売日:2026年10月30日
詳細はこちら

■You’ll see Queens of the Stone Age World Tour

2026年11月25日(水)Zepp Haneda(東京)
2026年11月26日(木)Zepp Nagoya(愛知)
2026年11月28日(土)Zepp Namba(大阪)
詳細はこちら

山﨑智之〔やまざき・ともゆき〕
1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に1,300以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検第1級、TOEIC 945点取得
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文/ 山﨑智之

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2026.09.28
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