
楽器や音響機器が故障したとき、どこに連絡すればよいのか、原因は何か、修理にかかる時間や費用はどの程度なのか、多くの人が感じるのは不安や戸惑いではないでしょうか。こうした疑問に迅速に応えるため、ヤマハのカスタマーサービス・技術部は「修理サポートWebページ」を整備し、進化させてきました。その誕生の経緯や利便性についてお届けします。
必要な情報に迷わずたどり着ける設計を実現
「修理サポートWebページ」改善の取り組みの根底にあるのは、「修理や機能回復も大切な品質の一部である」というヤマハが持つ信条。楽器や音響製品を長く愛用し、豊かな音楽体験を継続してもらうためには、購入後のサポートも重要な役割を担っています。
こうした考えのもと、よりわかりやすく使いやすいサイトを目指して、Webページの改善を進めてきました。
以前の「修理サポートWebページ」は製品カテゴリーごとにページが分かれていました。しかし、例えば鍵盤楽器ひとつとっても電子ピアノ、電子キーボード、シンセサイザーと似たような楽器があり、ユーザーにとってはその判断が難しいケースもありました。そこで、修理依頼の判断から修理完了に至るまでのユーザー行動をあらためて洗い直し、行動フローに基づいたサイト構造へと刷新しました。自己解決につながるQ&Aや取扱説明書、修理料金の確認、修理の申し込み方法など、目的に応じた必要な情報へ迷わずたどり着ける導線設計としています。
導線を改善し、情報を整理したことでページ数自体は減少したものの、ビュー数は倍増。使いやすさの向上が数字にも表れています。
加えて、視覚的に理解しやすいイラストの採用や電話窓口の混雑状況の可視化など、細やかな工夫も施されています。


小型楽器・音響製品の修理もWebサービスがスタート
従来、修理の申し込みは電話やFAXが主な窓口で受付時間も限られていたため、つながりにくさや時間的制約といった課題がありました。一方、スマートフォンの普及により、ユーザーが自ら調べて解決する“自己解決”が一般化。こうした変化に対応する形で、2019年には24時間いつでも簡単に修理を申し込むことができる「Webフォームによる申し込み」を導入しました。
「Webフォームによる申し込み」は、大型電子鍵盤楽器などの「出張修理」製品を対象にサービスを開始し、2026年にはポータブルキーボードやギター、ホームオーディオ製品などの小型楽器や音響製品を対象とする「預かり修理」にまで対応を拡充。「預かり修理」という形態に最適化し、修理の申し込みに限らず、見積もりの案内やサービスセンターでの受付・返送に関する各種連絡を、メールで受け取れる新しい仕組みも整えました。

預かり修理のWebサービス
ユーザーは簡単な申し込みフォームを入力し、発行された申し込み番号を添えて製品を送付するだけで手続きが開始。その後の受付完了・見積もり・発送の必要な情報もメールで届くため、電話で状況を問い合わせたり、折り返しのタイミングを気にしたりする場面も自然と少なくなります。
こうした一連の仕組みは、ユーザーが自分のペースで修理手続きを進められる点に大きなメリットがあります。ただ、対面や電話に比べて不安が生じやすい側面も踏まえ、サイト上で修理の流れや注意点を丁寧に提示し、全体像を事前にイメージできるようにしました。
ただし、「Webフォームによる申し込み」はあくまで選択肢のひとつ。カスタマーサービス・技術部では従来どおり電話やFAXによる受付も継続しており、複数の接点を用意することでユーザーそれぞれに合った方法が選べる仕組みを整えています。
ヤマハの「修理サポートWebページ」はユーザーのペースを尊重しながら、安心してご利用いただけるよう、気兼ねのない修理体験へ導く取り組みとして進化を続けています。

取材に答えてくれた「修理サポートWebページ」を担当するカスタマーサービス・技術部の矢賀佳織さん(左)今野文智さん(中)、五十嵐壮さん(右)。
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