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1960年代英国ブルースの重要ギタリスト、キム・シモンズ(サヴォイ・ブラウン)の自伝刊行

キム・シモンズ(サヴォイ・ブラウン)

サヴォイ・ブラウンの創設メンバーにしてギタリストだったキム・シモンズの自伝『Street Corner Talking, The Autobiography of Kim Simmonds : The Life and Music of the Founder and Guitarist of Savoy Brown』が海外で刊行された。
1965年にサヴォイ・ブラウンを結成したキムは、フリートウッド・マックのピーター・グリーンやチキン・シャックのスタン・ウェッブと共に1960年代後半イギリスのブルース・ブームを牽引したギタリストだった。大きなヒット・シングルなどには恵まれなかったものの、サヴォイ・ブラウンはライヴ・バンドとして人気を獲得、本国イギリスやヨーロッパ、アメリカでブルースからロックまで幅広いファンの支持を集めた。2020年からのコロナ禍でツアー活動が白紙になったことでキムは自伝に着手するが2022年、75歳のときに結腸癌で死亡。その人生のほぼすべてが約200ページに記されている。(エピローグは彼に最後まで連れ添った奥方デビーさんと娘イヴさんが書いている)

キム・シモンズ、ブルースの遍歴

本書の前半は第二次世界大戦後の復興期に生まれ育ったキムがポップを経由してブルースに目覚め、マディ・ウォーターズやハウリン・ウルフに傾倒。1965年にサヴォイ・ブラウン・ブルース・バンドを結成してから成功を収めるまでの軌跡が書かれている。ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズより下の世代でエリック・クラプトンの2歳年下である彼が経験した1960年代の音楽シーンの描写は、リアルタイムで経験した本人ならではのリアリティに溢れている。クリームやジョン・メイオール、チャンピオン・ジャック・デュプリーらのサポートを務めながらマーキー、フラミンゴ、スピークイージーといったクラブをサーキットした思い出話は、当時のロンドンの空気の匂いがするほどだ。
さらなる成功を求めてサヴォイ・ブラウンは1969年1月に初渡米。ブルースの“本場”でサーキットを行った。ボビー・ブランド、アルバート・コリンズ、アール・フッカーらとライヴを行い、ジミ・ヘンドリックスとのジャムも実現するなど、ほんの数年前のキムにとって夢だったことが現実になっていく。B.B.キングのライヴを見に行って観客席にいたところ、伝達ミスがあったのか「今日はお客さんが見に来ている。“イギリスのスプリームス”、サヴォイ・ブラウン!」と紹介されたという笑い話もあるが、キムがアメリカを楽しんでいることが伝わってくるし、イギリスに居場所のなくなった彼が1980年に移り住んだのも納得だ。
7歳年上の兄ハリーについて随所で言及されているのも興味深い。そもそもキムがブルースを聴くようになったのも兄の影響だったが、彼はサヴォイ・ブラウンのマネージャーを買って出て、英国ブルースの最重要プロデューサーであるマイク・ヴァーノンを連れてくるなどの貢献をしている。サヴォイ・ブラウンがヴァーノンの自主レーベル“パーダー・レコーズ”からデビュー、そして初のアルバム『シェイク・ダウン』(1967)から発表したのも、ハリーの力が大きかった。ただキムが金銭面での不信感を抱いていたことを仄めかしており、ビジネス面の確執のせいで、渡米を期に疎遠になっていく(ハリーがドラッグ取引で逮捕されたこともあった)。

その知られざる人柄

さらに本書ではキムの人柄をさまざまな角度から知ることができるのが面白い。
バンドの初期ではシャイな性格ゆえに、酒の力を借りてステージに上がったり、アンプの裏に隠れてギターを弾いたりしていたキムだが、バンドのフロントマンとなり、一度短期間クビになるなどの経験を経て(兄ハリーも同調したという)強力なパーソナリティを確立していく。サヴォイ・ブラウンのメンバーとの人間関係がドライで、頻繁に「フィーリングが合わない」という理由で解雇する描写もそんな表れかも知れない。1970年にメンバーが大量離脱してフォガットを結成するという、ロック史に残る事件も「彼らとは意見が異なっていた」の一言で済まされているし、後にイエスやキング・クリムゾンで成功を収めるビル・ブルーフォードをクビにしたときも深い感慨はなかったようだ。
それ以外にもさまざまな話題が飛び出し、とにかく興味が尽きない。サヴォイ・ブラウンの『ユー・ニード・ラヴ』(マディ・ウォーターズのカヴァー)を下敷きにしてレッド・ツェッペリンが『胸いっぱいの愛を』を書いた疑惑への見解、『ヘルバウンド・トレイン』は「サイコ」で知られるロバート・ブロックの短編小説「地獄行き列車」からインスピレーションを得た話、キムとスタン・ウェッブが合体した『ブギー・ブラザーズ』(1974)には当初フリーのポール・コゾフも参加を希望していたという事実、1980年代にアメリカで離婚と破産のダブルパンチを食らったキムが一時居候していたのはヘヴィ・メタル・バンド、ザ・ロッズのゲイリー・ボードネロ宅だった……など、驚きの連続だ。ディテールが書き込まれているのは1970年代までで、それより後は駆け足になってしまうが、おそらくサヴォイ・ブラウンとキムに関するまとまった書籍はこれが最初で最後。これだけ充実した一冊が出たのは嬉しい限りだ。
後期のアルバム『ブリング・イット・ホーム』(1994)について「当時は埋もれてしまったが最高傑作のひとつ。自分が生きているうちに評価されて欲しい」と語り、「エネルギーが残っているうちはツアー人生を続ける」と宣言していたキムの人生とその音楽を記した本書からは、彼のブルース・ギターが聞こえてくる。
本書はマイク・ヴァーノンが序文を寄せている。名プロデューサーというのに加えて歴史の証人としてあちこちに寄稿している彼だが、こちらも資料として貴重なものだ。彼は2026年3月2日、81歳で亡くなっており、これが最後の証言となる。
また、生前のキムを知るポール・ロジャース、ジョー・ボナマッサ、ロジャー・アール(サヴォイ・ブラウンのドラマー)らのコメントも収録されている。
図版も巻末にまとめて掲載されており、少年サッカー・チーム時代から初期サヴォイ・ブラウン、晩年まで、レアな写真が満載だ。
1960年代ブリティッシュ・ブルースの最重要人物の一人が生きた時代のドキュメント。現時点では本書の日本語版が刊行される可能性は低そうだが、英語は決して難解な表現もなく読みやすいため、ぜひ一読していただきたい。

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■書籍『Street Corner Talking, The Autobiography of Kim Simmonds : The Life and Music of the Founder and Guitarist of Savoy Brown』

書籍『Street Corner Talking, The Autobiography of Kim Simmonds : The Life and Music of the Founder and Guitarist of Savoy Brown』
発売元:Schiffer Publishing
現在発売中
詳細はこちら
 

文/ 山崎智之

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2026.03.11
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