「多少の波」がやってきている
前回のZ BLOGで、「世間的にミュージシャンは不安定な職業として認識されているが、それも慣れてしまえば日々のルーティンは多少の波はあれど割と安定している。」と書いたが、まさに今、その「多少の波」がやってきている。新型コロナウイルスの影響で多くの催事が中止または延期となり、僕もイベント仕事が数本キャンセルになった。
こんな時に思う、「また来たか」と。
ミュージシャン稼業は天災や景気など、社会の流れに簡単に流される。僕が経験しただけでも、リーマンショック、東日本大震災の時は大変だった。その他、mp3やサブスクの台頭によりCDが売れなくなった、台風でライブが中止になった、など沢山ある。
長期間、週一回やっていたホテルでの演奏が打ち切りになった時、今でも心に残っている先輩ミュージシャンの言葉がある。
「我々は浮き草稼業ですから」
え~、先輩!何か改善策を考えて提案することもせずにそのまま受け入れるんですか!
と思ったが、その潔さに何かを感じた。
その先輩は無駄に失望せず、きっと次に何をするかを考えていたのだろう。それは他の仕事を探すことかもしれないし、別のことかもしれない。
そう思った僕は、肩の荷が降り、前向きな建設的な気持ちになった。
無駄に嘆くよりも練習しよう。
お陰で新たな技を習得することができ、災い転じて福となった。