
UnsplashのAlisa Antonが撮影した写真
こんにちは。ヤマハピアノデモンストレーターの伊藤優里です。
ピアノで楽しく弾ける楽曲やアレンジを色々ご紹介していますが(前回までの記事はこちら)、今回は2026年に向けてThe Beatles(ビートルズ)を特集します!!
ビートルズといえば誰もが知るイギリス出身のロックバンドですが、1962年のデビューから1970年に事実上解散するまで8年間という短い活動期間の中で、数多くのヒット曲を生み出し「世界で最も売れたバンド」とされています。(ちなみに2位はクイーンでした)
そんな彼らが来日したのは一度きり、1966年6月、武道館での3日間計5回の日本公演のための来日で、2026年に60周年を迎えます。
日本武道館で初めて開催されたロックコンサートで、公演の模様が特別番組としてテレビ中継もされるなど歴史的な出来事となり、様々なエピソードも残されています。
「史上最も偉大なアーティスト」とも評され今も多くの人々に愛されるビートルズの楽曲から、今回はピアノで弾けるおすすめのアレンジをご紹介していきます!
Yesterday(イエスタディ)
まずはビートルズの代表曲のひとつ、「イエスタディ」。
1965年8月に発売されたアルバム『Help!』に初めて収録され、今もなお愛される名曲です。
♪Yesterday (With Spoken Word Intro / Live From Studio 50, New York City / 1965)
ビートルズのYouTube公式チャンネルより
音楽、ライブ映像だけでなく活動中の様々な一幕が見られ、当時の物凄い人気が伺えます。
「イエスタディ」は武道館の日本公演でも、セットリストに入っていました。ご本人の歌声で聴くことができたらどんなにか興奮するでしょうね・・・!
★Yesterday(The Beatles)/ピアノ(ソロ)

こちらのアレンジはオリジナルと同じフラットひとつのFメジャー。
シンプルながら、オリジナルのハーモニーがしっかり入っていて気持ちよく演奏ができると思います。
左手の伴奏はオクターブ内でおさまるので弾きやすく、途中少し動きますが同じパターンなので1か所弾けるようになれば譜読みもスラスラ進むのでは・・・♪
★Yesterday(The Beatles Hal Leonard Student Piano Library)/ピアノ(ソロ)

続いてこちらは、音域も幅広く使ったアレンジ。
左手はアルペジオが続くので手が開くのが苦手でない方にオススメです。
冒頭から終わりまで、ペダルの指示もありますね!場所によって踏みかえのタイミングが2小節おきだったり、2拍おきだったりと変わるのはハーモニーが変わったときに音が濁らないようにするためです。
実はペダルの踏み方も、きれいに聴こえるように踏みかえるにはちょっとしたコツと慣れが必要なので、そんなペダルの練習にも良いかもしれません♪
★Yesterday(Richard Clayderman)/ピアノ(ソロ)

最後は、意外なピアニストによって演奏されているアレンジを見つけたのでご紹介します。
リチャード・クレイダーマンといえば、代表曲「渚のアデリーヌ」で知られるピアニスト・作曲家です。ピアノを習っている方の中には“渚のアデリーヌに憧れて・・・”という方もいらっしゃるのでは。
♪Richard Clayderman - Yesterday (Official Audio)
YouTube公式チャンネルより。リチャード・クレイダーマンらしい、ピアニスティックな演奏とサウンドですね♪
こちらと同じサイズで演奏できます。
16分音符もたくさん出てくるので譜読みは大変ですが、ひと味ちがったイエスタディを演奏してみるのはいかがでしょうか?
Let It Be(レット・イット・ビー)
続いてこちらもビートルズの代表曲とも言える超名曲。
レット・イット・ビー(あるがままに)というフレーズは、ポール・マッカートニーが14歳のときに亡くなった母から夢の中で言われた言葉がきっかけで生まれたそうです。
聴く人に寄り添う歌詞と美しいメロディは、今も多くの人に愛されています。
★Let It Be(The Beatles Across The Universe (Movie))/ピアノ(ソロ)

こちらは、左手がとてもシンプルで弾きやすいアレンジです。
特にリズムが、右手と同じ・または左手単体での動きしかないのがポイント。
「両手で合わせるときにリズムがそれぞれ違うのが苦手・・・」という方にピッタリです。
★Let It Be(The Beatles Hal Leonard Student Piano Library)/ピアノ(ソロ)

こちらもシンプルで弾きやすいアレンジです。
オリジナルが調号なしのCメジャーなのも譜読みがしやすくて嬉しいですね!
譜面の冒頭に書かれている「Moderately,with a steady beat」というのは、「ほどほどな速さで、一定なテンポで」というような意味です。
左手の2分音符でテンポを感じて演奏できると良いですね♪
★Let It Be (arr. Phillip Keveren)(The Beatles)/ピアノ(ソロ)

続いてこちらはだいぶ音の厚みが増し、出だしのイントロ部分はオリジナルのピアノの音にだいぶ近い感じがします。
そして歌いだしは左手でのメロディ、音域も箇所によって使い分けられていて変化が楽しめるアレンジです。
強弱も書かれているので、意識することで盛り上がり華やかな演奏になるのでは、と思います。
★Let It Be(The Beatles)/ピアノ(ソロ)

最後は少し雰囲気を変えて、ゴスペルの曲調を取り入れたアレンジです。
映画『アクロス・ザ・ユニバース』(すべてビートルズの楽曲で作られているニューヨークを舞台にしたミュージカル映画)の中で歌われるレット・イット・ビーがゴスペルで演奏されていて、とても悲しい場面なのですがメイン・ボーカルの力強い歌声とクワイヤのサウンドに鳥肌が立ちます。
譜面にもあるように出だしはp(ピアノ・弱く)で語り掛けるように始まり、段々と高ぶっていくようにf(フォルテ・強く)に向かうように是非演奏してみてくださいね♪

UnsplashのAlisa Antonが撮影した写真
★Ob-La-Di, Ob-La-Da [Jazz version] (arr. Brent Edstrom)(The Beatles)/ピアノ(ソロ)

ここからは、「オリジナルと一味違う感じを是非楽しんでほしい!」と思った曲をいくつかご紹介します。
「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」はヨルバ語(ナイジェリアなどで話される言語)に由来する言葉で、「人生は続く」という意味だそうです。
日本ではNHKの長寿番組「みんなのうた」で日本のアイドルグループ・フォーリーブスがカバーしたり、テレビCMに使用されるなど耳馴染みのある方も多いのではないでしょうか。 こちらのアレンジは出だしからお洒落な響きで時々出てくる装飾音符をさりげなく演奏できたら素敵ですね♪
オリジナルよりは少しゆっくり目のテンポで響きを楽しんでみてはいかがでしょうか。
★Lady Madonna [Jazz version](The Beatles)/ピアノ(ソロ)

こちらの「レディ・マドンナ」、ピアノのフレーズが印象的だなと聴き入りとても好きになりました。
オリジナルは出だしからピアノがパリッと入ってきますがこちらのアレンジは低音のみから始まり少しずつ音数が増えていきます。
臨時記号も多いので始めは少し骨が折れるかもしれませんが、両手でコードをおさえて半音で上がっていくところなどバシッと決まるととても気持ちいいと思うので、是非挑戦してみてください!
★All You Need Is Love [Jazz version] (arr. Brent Edstrom)(The Beatles)/ピアノ(ソロ)

最後は「愛こそすべて」。個人的にサウンドが好きな曲で、先ほど述べた映画「アクロス・ザ・ユニバース」ではこの曲が最後に流れてとてもテンションが上がったのでした^^
先ほどの「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」ジャズバージョンと同じアレンジャーさんによるものですね。
この曲は4分の4拍子ですがたびたび4分の3拍子が挟まっているところがとても珍しいです。
こちらのジャズバージョンも、拍子はオリジナルと同じように時々4分の3拍子になります。
通常はあまりない事なので、うっかりしていると3拍子のところも4拍子の感じで弾いてしまいがちですので、是非意識してみてくださいね。
今回はビートルズのおすすめピアノアレンジをご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
来日60周年のアニバーサリーイヤー、今も世界中の人から愛される楽曲の数々を是非ピアノ演奏で楽しんでくださいね!
伊藤 優里(いとう ゆり)プロフィール
神奈川県出身。4歳よりピアノを始める。
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を経て同大学研究科修了。
第25回かながわ音楽コンクールシニアピアノ部門第1位。入賞記念コンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団とショパンのピアノ協奏曲を共演。
大学在学中よりヤマハピアノデモンストレーターとして活動を始める。
中学校時代には吹奏楽部に所属していた事から多方面の音楽に関心を持ち、本格的なクラシック曲から映画・ミュージカル音楽やジブリ、ディズニー等幅広いジャンルの演奏にも力を入れている。また近年は合唱や声楽、器楽とのアンサンブルのコンサートや、伴奏ピアニストとしても演奏活動を行っている。