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イベントレポート

【イベントレポート】普通は「見られない」「聴けない」が満載!「オーケストラ・コンサート&バックステージ・ツアー(東京交響楽団編)」 ~2017年2月4日開催~

オーケストラ・コンサート&バックステージ・ツアー イベントレポート
©青柳聡


コンサートホールでのオーケストラ演奏をもっともっと楽しんでもらおうと、2017年2月4日(土)「オーケストラ・コンサート&バックステージ・ツアー(東京交響楽団編)」が開催されました。
会場は神奈川県川崎市にある、ミューザ川崎シンフォニーホール。9時30分の受付開始を前に参加者が集合場所に続々と集まり始め、早くも期待が高まっている様子でした。それもそのはず、こちらのホールは、世界的指揮者であるサイモン・ラトルやマリス・ヤンソンスに「世界最高のホールのひとつ」、「心を動かされた最愛のホール」と絶賛されているところ。東京交響楽団はここを本拠地として演奏活動を行っており、今回はその人気演奏会のひとつ「名曲全集 第124回」の鑑賞を行うことができるのです。

ツアーはまず、研修室でのレクチャーから始まりました。講師として登場したのは大阪フィルハーモニー交響楽団の指揮者、角田鋼亮(つのだこうすけ)さん。当日の演目にあるフーガの楽曲形式や、それぞれの曲の聴き所などについて丁寧に説明してくださいました。
続いてゲネプロ(公演前の最終リハーサル)の見学です。参加者はイヤホンを装着して席に着き、舞台袖のブースから角田さんが実況中継。主題を追いかけていくフーガの形式など、先ほどのレクチャーで教えてもらったことが、目の前でリアルに展開されていきます。指揮者が今何をしているのか、その時の手の動きが意味していることなど、同じ指揮者としての視点も交えて、まるでスポーツ中継のように事細かな解説が続きました。ちなみに当日指揮をしていたシーヨン・ソンと角田さんはベルリンの音楽大学で一緒に学んだ間柄なのだとか。微に入り細をうがつ説明にも納得です。
参加者の、部活動でファゴットを演奏しているという15歳の娘さんとお母さんは「ゲネプロを見学できるだけでなく、これほど詳しく説明が聞けてめったにない貴重な体験でした」と満足そう。また、高校生のときまでやっていたバイオリンを大人になって再び始め、いずれは市民オケなどで演奏したいという女性は「指揮者と楽員のやり取りを見られて楽しかったです」と話してくれました。

ランチタイムをはさんでいよいよコンサートが開演。演目はバッハの『小フーガ』、ジョンゲンの『オルガンと管弦楽のための協奏的交響曲』、ムソルグスキーの『展覧会の絵』の3曲。レクチャー、ゲネプロでの説明をベースにして演奏を聴くと、いつもとは違うところにまで耳が届き、参加者の皆さんは演奏会の新たな魅力を発見することができたようです。またクラシック音楽に最適な残響時間を確保しているというホールの特徴も、思う存分堪能できる鑑賞会となりました。

コンサートで演奏を聴かせてくれたパイプオルガンは、パイプの総本数5,248本、4階建の建物に匹敵する大きさで、ミューザ川崎シンフォニーホール自慢のものです。コンサート終了後は、ステージ裏に移動し、巨大なパイプが並ぶ前で、ホールのオルガニストである近藤岳さんから、パイプオルガンの構造や演奏のしかたなどについてのミニレクチャーを受けました。「バロック時代の様式を引き継いだ古い楽器と思っていたら、意外にもハイテクな部分があって驚きました」とご夫婦で参加された方が話しておられましたが、パイプオルガンはデジタル制御されている部分もあり、進化した楽器であることを知ることができました。

最後はバックステージの見学。楽員が休憩するラウンジや楽器保管庫、楽譜のライブラリーなど、普段は覗けない舞台裏を垣間見て、オーケストラに対する親近感も増したところで時間終了となりました。
「なるほど~!」という感動の連続だった今回のイベント。ほんのさわりしかお伝えできないのが残念ですが、参加した皆さんもそれぞれに発見や驚きがあったようで、とても充実した1日となりました。

文 唐沢耕
写真 坂本ようこ