
「アコースティックピアノのある生活」の価値を見つめ直し、本当に良いピアノを、より多くのお客様へ。暮らしに寄り添うスタンダードなアップライトピアノとして、16年ぶりに刷新された「Bシリーズ」が誕生。
粒立ちが良い音色と幅広い表現力。すべてのバランスを追求したピアノ
あらゆるものがデジタル化されている今こそ、「アコースティックピアノのある生活」の色褪せない価値を多くの人に届けたい。子どもから大人まで、ピアノを楽しむための垣根を広げてくれるアップライトピアノ「Bシリーズ」が新たに誕生した。
従来モデル「bシリーズ」を基盤に、ハンマーや響板の設計を見直すことで、コンパクトながら豊かな響きを実現し、譜面立ての改良やソフトランディング機構※の採用で、使いやすさと安全性も格段に向上。もちろんサイレントピアノおよびトランスアコースティックピアノも選択できる。(※鍵盤蓋を緩やかに開け閉めできる仕様)
モデルチェンジの話が持ち上がってから、試作段階を経て開発が始動し、製品の発表に至るまで、約10年。Bシリーズの設計担当者・飯田茂樹さんは「前モデルの開発に立ち上げから携わり、発売後にご好評いただきつつも、さらに良くしたい、モデルチェンジしたい、とずっと思っていました。ピアノは、新規開発の方向性を探り、企画が決定する前の試作段階にも数年単位の時間がかかります。その間に市場のニーズがどんどん変わって、方向転換したり、止まってしまったりする開発もある。今回はコロナ禍もありました。そのなかで10年走り抜けたことは、本当に感慨深いです」としみじみ語る。
この10年間、「こんなピアノにしたい」と思い続けた理想は変わらなかった。まずピアノの本質である音、そしてタッチは、くっきりと粒立ちが良い音色と幅広い表現力を目指し、音階をはっきり捉えられると同時に演奏性が高く、練習しやすいピアノを意識したと言う。

設計を担当したヤマハ株式会社 ピアノ事業部の飯田茂樹さん。
ハンマーは、世界に誇るコンサートグランドピアノ「CFX」の開発で得たノウハウを取り入れ、フェルトの優れた弾力性を生かしたBシリーズ専用のハンマーを採用することで、芯があり伸びが良く、鮮やかな音色を生み出した。
ピアノの響きの要である響板や支柱の設計も見直した。約20トンもの弦張力がかかるピアノでは、支柱の剛性が響板の形状維持や音響性能の安定性に大きく関わる。そこでBシリーズでは5本支柱を採用し、より安定した構造を実現。さらに「B20」では響板面積を拡大することで、より幅広いダイナミックレンジと豊かな響きを実現した。
「ピアノって難しいんです。もちろん安定感は大切ですが、ガチガチに支柱を多くすればするほどいいというわけでもない。バランスが大事ですね。響板の材質や貼りつける接着剤、支柱の本数やフレームの硬さなど、いい音のために、さまざまなことを組み合わせて研究しています。一つひとつの機能の改善をゴールにしているわけではなく、アクション、ハンマー、弦、響板などのすべてが組み合わったときの表現の深さを目指しているんです」
使い勝手の良さのために。ベストを突き詰めた譜面立て
さらに飯田さんが熱意を持って語ってくれたのは、自身が設計した譜面立てだ。鍵盤蓋と同じ横幅にし、十分な奥行きを確保することで、複数の楽譜や蛇腹折りの楽譜、厚みのある楽譜も安定して設置でき、発売以来大好評を得ている。飯田さんは「あれ、いいでしょう?これまで、もっと広くしてほしいという声をずっといただいていたので、じゃあいちばん広くしよう!と思いました」と語るが、ここまでの道のりは平坦ではなかった。譜面立ての奥行きを確保し、角度も広く取ろうとすると、上前板がピアノ内部のアクションに接触してしまうため、うまくいかない。来る日も来る日も考えた末、思いついたのは上前板に傾斜をつけることだった。
「どうすれば譜面板の使い勝手がいいか、角度や奥行き、幅など、あらゆるパターンを試して、議論しました。そもそもピアニストにとって良い譜面板とは何か、めくりやすいとは何かを考え、今回実現できるベストを突き詰めた形があの譜面立てです。本当にこだわりました」
これまで似た形状の譜面立てが存在しないわけではなかったが、それをスタンダードモデルに取り入れることは相当勇気がいることだったと飯田さんは言う。「ピアノの形とはこういうもの」というイメージから大きく離れたデザインは、受け入れられにくい。
「そこに対して、かなり攻めた仕様だったと思います。でも、世の中を変えるって、ぎりぎりの線を行かないといけない。越えすぎると受け入れてもらえないけれど、ずっと同じものを作っているだけでは不具合も解消されない。このピアノでずっと集中して練習してもらうんだという気持ちで、良いものは何かだけを議論してきました。いちばん大変だったのは、自分たちの意識改革だったかもしれません」
事故の原因になりかねない重い鍵盤蓋には、ソフトランディング機構も採用され、スタイリッシュな見た目と安全性を兼ね備えたヤマハブランドを象徴する「Bシリーズ」が完成した。

B20、B30ともにカラーは黒のほか、ホワイトもある(いずれも鏡面艶出し塗装)
※ホワイト色は2026年9月18日発売
最終的に大事なのは人の技術。徹底した現場教育
ピアノづくりにおいて大切なのは設計や材質だけではない。設計はあくまでも器で、そこに人の手が入り、高品質のピアノを量産できるかは、最終的に職人一人ひとりの技術にかかっていると飯田さんは話す。
「同じレシピでも、料理人の腕で味が変わるのと同じです。熟練のプロが作った試作品と同じクオリティのピアノを工場で量産するためには、何よりも現場の教育が重要なんです。今回はその教育にもかなり力を入れました。1日2日の話ではなく、年単位でしっかりとスケジュールを立て、熟練の職人さんが工場に行って手ほどきして、常時モニターしながら教育していきました。それによって飛躍的に技術が進歩し、さらに繊細な表現が可能なピアノを生産できるようになったと思います」
設計から製造までをすべて自社で行い、グローバルで統一したシリーズへ刷新することで、一貫した品質管理と高い生産効率を実現した。
「ピアノは約8000点の部品でできています。そのひとつでも問題があれば、音が出ないとか、ノイズが出るとか、キンキン変な音が響くなどの不具合が起こる。それをすべてコントロールしなくてはならないので、作り込みも、品質管理も、何より現場の人間、作業している一人ひとりの品質意識の高さもすごいと思います。お求めやすい価格のものから最上級のものまで、基本的には同じ品質基準で作り込んでいます。品質要求は一緒、違うのはスペックです。品質の差ではないんですよ。製作者の皆さんのスピリットも同じです」
高品質のピアノをお求めやすく。多くの人生を彩る一台を
音も外装も、徹底的にこだわり抜いた「Bシリーズ」において、「クオリティとコストのバランスこそが、このモデルの真骨頂」だと飯田さんは言う。「このお求めやすさで、このクオリティのものをお届けできることには、かなり自信を持っています。本当に良いものをお届けするための努力の結晶です」
ビギナーに限らず、このピアノを選ばれた方には、とことん集中して練習していただけるはずだと飯田さんは太鼓判を押す。うまくなりたい。この曲を弾いてみたい。そんな気持ちを後押ししてくれるピアノだ。
「音も明るくはっきりしていて、弾くのが楽しい。うちにピアノは無理だと思っている方にこそ、アコースティックピアノならではの楽しみを知っていただきたいし、それがあると人生の彩りは変わると、多くの人に感じてほしい。このピアノならそれができると思っています」
多くの人の思いをのせて世に出た「Bシリーズ」。これからはそれぞれの場所で、ユーザーとともに育ち、生活を豊かに彩っていくことだろう。

通常のアコースティックピアノに加え、ヘッドホンを使って消音演奏ができる「サイレントピアノ」や、アコースティックならではの響きを保ったまま音量を調節できる「トランスアコースティックピアノ」が選択できる。多様化するライフスタイルに合わせて、時間や環境を気にすることなくピアノの演奏に集中できる。
※トランスアコースティックモデル、の発売日は未定。後日詳細をご案内。
■アップライトピアノ「Bシリーズ」
ハンマーや響板を見直すことで音のクオリティを向上。鍵盤蓋周りには使いやすさを重視した仕様を取り入れている。さらに、さまざまなライフスタイルに寄り添うラインアップがそろう。
※トランスアコースティックモデルの発売日は未定。後日詳細をご案内。
B20
高さ116cm、ピアノらしい佇まいを備えたアコースティックピアノ。
B20の詳細はこちら
B30
高さ121cm、スタンダードなサイズのアコースティックピアノ。
B30の詳細はこちら
| 品番 | B20 | B20SC3 | B20TC3 | B30 | B30SC3 | B30TC3 | |
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| 種類 | アコースティック ピアノ |
サイレント ピアノ |
トランスアコースティック ピアノ |
アコースティック ピアノ |
サイレント ピアノ |
トランスアコースティック ピアノ |
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| サイズ | 高さ | 116cm | 121cm | ||||
| 間口 | 153cm | 153cm | |||||
| 奥行 | 58cm | 62cm | |||||
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