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新星ギタリスト、マッテオ・マンクーゾ初来日!独自奏法とサウンドメイクに迫る

マッテオ・マンクーゾ(Yamaha Sound Crossing Shibuya)

フィンガースタイルによる独創的な奏法と高度なテクニックで、世界中から注目を集めるマッテオ・マンクーゾ。現代ギター・シーンに新たな潮流を生み出したイタリア出身の若きギタリストだ。
2026年5月には、日本デビューとなるニュー・アルバム『ルート96』を引っ提げて初来日。これに伴い、Yamana Sound Crossing Shibuyaで開催された関係者向けスペシャル・セッションでは、トークセッションやデモ演奏を通じて、フィンガースタイル奏法からアンプ&エフェクト・プロセッサー選びの哲学までその音楽観を披露した。

フィンガースタイルが生んだ唯一無二のプレイ

ステージに登場したマッテオは、まずは自身の代名詞ともいえるフィンガースタイルについて解説。
「10歳でギターを始めた当時、ギターはピックで弾くものだと知らなかったんです。それが一番慣れた弾き方になり、今も貫いています」
その独自のフォームは、人差し指、中指、薬指の3本を主に使用し、親指はピックアップの上に置いて手全体を安定させるというもの。メロディーの演奏ではベースのような2フィンガー、3フィンガー奏法を用い、コードやアルペジオでは親指も積極的に活用する。
挨拶がわりのデモ演奏では、指板上を縦横無尽に駆け巡る流麗なフィンガーワークで会場中を釘付けにした。
「最初のころは、AC/DCやレッド・ツェッペリン、ディープ・パープルなどのバンドが好きだったので、今弾いたようなディストーションをかけてペンタトニックのスケールを基本とするフレーズが自分の基礎になっています」

マッテオ・マンクーゾ

REVSTARとPacifica、それぞれの魅力

日本ではヤマハのエレキギターといえば「Pacifica(パシフィカ)」のイメージが強いが、北米では「REVSTAR(レヴスター)」も人気を二分する存在。マッテオも、2017年から長きにわたってREVSTARを使用している。
「選んだ理由は、もともと使っていたSGに近いコンパクトなソリッドボディであることでした。ジャズとロックの両方をやりたいと思っていたので、クリーントーンとディストーションサウンドを高いレベルで両立できるギターを求めていたんです」
実際にクリーンサウンドと歪みを効かせたロックサウンドを弾き比べながら、「一本でこれだけ幅広いサウンドを出せることが気に入っています」と評価した。
また、現行REVSTARに採用されているチェンバードボディ構造※についても言及。2022年以前のモデルには搭載されていなかったが、新世代モデルでは「深いディストーションをかけなくても自然なサスティンが得られる」など、その進化を実感しているそうだ。

※チェンバードボディ構造:ボディの鳴りを高め、理想的なサウンドを得るためにボディにいくつかの空間を作る。軽量化と重量バランスの最適化もできるよう綿密に設計されている。

マッテオ・マンクーゾ

現在、コンサートではREVSTARとPacificaの2本を持ち込む。REVSTARはジャズからロックまで幅広く対応できるギター。一方、PacificaはいわゆるST(ストラトキャスター)、SD(シェクター)タイプのサウンドが必要な場面で活躍する。
「だから、ジェフ・ベックのトリビュートコンサートではPacificaが最適でした。REVSTARとPacificaでは、用途に応じて弦のゲージやセッティングも変えています」

マッテオ・マンクーゾ

こうしたサウンドを支えているのが、Line 6のアンプ&エフェクト・プロセッサー。HX Stompを愛用し、最近ではHelix Stadiumも導入して海外ツアーなどで使用している。
「アンプシミュレーターもエフェクトも高品質なものが1台にまとまっているのが最大の魅力です。従来のペダルボードで同じことをしようとすると大掛かりになってしまう。持ち歩くとき、とくにツアーには便利ですね。製品のクオリティがとても高いというところも気に入っています」
さらに、アドバイスとして「まずは気に入ったファクトリープリセットを探し、そこから少しずつ編集していくのが最も簡単な方法」と語った。
実際のデモではPacificaを使用し、クリーンサウンドからディストーションサウンドまで幅広い音色を披露。ひとつのプリセットだけでも多彩なプレイスタイルに対応できることを実演するとともに、超絶技巧と豊かな表現力で聴き手を魅了した。

マッテオ・マンクーゾ

ギターの枠を超えて磨かれた音楽観

質疑応答では、「影響を受けたミュージシャン」についての質問も飛んだ。
マッテオは、ギタリストよりもむしろサックス奏者やピアニストから多くを学んだと語る。
「ギターだけを練習していると、どうしてもギターで弾きやすいフレーズばかりになってしまう。新しいアイデアを得るには、ギター以外の楽器やジャズ、ロック、フュージョンと多彩なジャンルのプレーヤーの音楽を聴くことが大切です」
とくにジャズの世界では、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、ソニー・スティット、さらにピアニストのオスカー・ピーターソンから多大な影響を受けたと話す。
また、日本のミュージシャンといえば、真っ先に思い浮かぶのはカシオペアとT-SQUAREだという。
フィンガースタイルで、常に酷使する爪も気になるところだ。
「親指は自爪を使い、人差し指、中指、薬指にはジェル補強を施しています。サンドペーパーを常に携帯して、爪の状態を細かく整えていますね」

マッテオ・マンクーゾ

さらに、クリーントーンづくりについては、キャビネットの選択が肝だと説明。ダークなサウンドのキャビネットなら問題ないが、自身お気に入りのマーシャルJTM50などでは6kHz以上をカットし、ガサガサした音の成分を抑制していると明かした。
イベントの最後には、「一番の速弾き演奏を聴かせてほしい」というリクエストが。期待に応える圧巻のパフォーマンスで、会場を沸かせた。
REVSTARとPacificaそれぞれの個性を自在に引き出し、Helixを操りながら新たなギター表現の可能性を広げるマッテオ。その卓越した技術と音楽性で、終始観客の目と耳を惹きつけ続けた。

マッテオ・マンクーゾ

マッテオ・マンクーゾ

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■エレキギター「Pacifica」

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■エレキギター「REVSTAR」

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■Line 6

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文/ 福田素子
photo/ 宮地たか子

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2026.07.16
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