
ソルフェージュは音大受験のための特別な訓練でもなければ、退屈な基礎練習でもなく、音楽の面白さを発見するための「入り口」。そんな言葉から始まる『生徒が変わる! 新しいソルフェージュ指導の教科書』は、ピアノの先生はもちろん、すべての音楽愛好者に「ソルフェージュとは感性を広げる楽しい学び」であると気づかせてくれる本だ。
著者はソルフェージュ指導のエキスパート、尾島未佳。読譜力、リズム感、音感、暗譜力といった誰もが一度は行き詰まる課題を、理論編とQ&A形式の実践編でわかりやすく解説。「飽きっぽい生徒が楽しく続けられる工夫は?」「線と間を混同してしまうときはどうする?」といった先生たちの声を反映しながら、独自のメソッドやアイデアを盛り込んだ。
「ひとつひとつをクリアしていけば、必ず上達できるという希望を持ってもらいたい。そんな、長年抱いてきた願いを込めて執筆しました。お子さまが楽器を習っている保護者の方にも、ソルフェージュの大切さをわかっていただける内容です」と語る尾島。苦手なポイントを絞り込みやすい構成のため、それぞれに必要な項目から読むことも可能。指導者はレッスンのアイデアブックやネタ帳として活用できるだろう。
武蔵野音楽大学附属音楽教室で十年以上、幼児から高校生までの初年度クラスを指導した経験から、同じ課題でもアプローチを変えることの大切さに気づいたという。
「すぐにできる子には少し難しい課題を与えたり、なかなかできない子には一緒に歌ったりと、何パターンも指導法を工夫しました」
そして、楽譜の中から音型を探す「宝探しゲーム」といった、発見の喜びを引き出す手法を次々に編み出していく。あるとき、五線譜の線と間を認識して手を叩くゲームをしたところ、ひとりが間違ったところで笑いが起こった。そして、子どもたちから「もう一回!」の言葉が出たという。
「この『もう一回』をもっと取りたい、と思いました。子どもが自分からやりたいと思ったときにこそ集中力は高まります。そこを引き出すための研究を続け、その集大成として生まれたのがこの本です。和音の中のたった一音が変わるだけでも音楽の色合いは変わります。楽譜に込められたメッセージやエネルギーを感じる力を育むソルフェージュに、先生ご自身も楽しく触れていただければと思っています」
音楽を長く、楽しく続けていくうえで、ソルフェージュが希望の光を与えるものであることを実感させ、音楽との向き合い方に新風を吹き込む本書。子どもから大人まで、指導者、演奏者、学生を問わず、ぜひ手に取ってもらいたい一冊だ。
■生徒が変わる!新しいソルフェージュ指導の教科書
発売元:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
料金:2,530円(税込)
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尾島未佳〔おじま・みか〕
武蔵野音楽大学大学院ピアノ専攻修了。同音大附属音楽教室での指導経験を軸に、これまで2万人以上の子どもたちにソルフェージュを指導。その経験をもとに、歌って楽譜が読めるようになるオリジナルメソッド「うたハノン®︎」を開発。Daisy Music Academyを主宰し、オンラインソルフェージュレッスンも展開。また指導者向け講座には延べ1,000人以上が参加。生徒の音楽基礎力の向上と楽しさを実感できる音楽教育の普及を行っている。
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