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FM音源の父、ジョン・チョウニング博士が奏でた半世紀の軌跡――ヤマハホールで歴史的リサイタル開催

チョウニング博士

2025年9月25日、ヤマハシンセサイザー50周年を締めくくる記念公演として「~ジョン・チョウニング博士による電子音楽リサイタル~」が銀座のヤマハホールで開催された。FM音源の発明者であり、音楽家でもあるチョウニング博士が、家族らとともに1970年代の作品から最新作まで、半世紀にわたる音楽の旅を披露した。

FM音源という革命――音楽の歴史を変えた発見

会場を埋めた聴衆が見守る中、ステージに立ったのは、電子音楽史に燦然と輝く名を刻むジョン・チョウニング博士。1967年にFM音源を発明し、後にヤマハへライセンス供与することで、シンセサイザー「DX7」をはじめとする数々の名機を生み出すきっかけを作った人物だ。
公演の冒頭、博士はスクリーンに映し出されたスライドとともに、FM音源誕生の背景を語った。すべては1963年、マックス・マシューズ(アメリカの科学者・発明家・音楽家)がデジタルコンピュータを使った音の合成研究を科学誌『サイエンス』に発表したことから始まった。マシューズは「音楽音源としてのコンピュータの演奏には理論的な制限はない」と宣言し、新しい音楽の扉を開いたのである。

特に印象的だったのは、1975年に浜松へ招待されたときの思い出を語る場面だ。博士が所属していたスタンフォード大学のタイムシェアリングコンピュータでは、たった40分の楽曲を作るのに数百時間もの計算時間を要した。それがヤマハのシンセサイザーでは、パラメータを設定するだけで、キーを押せば即座に音が鳴る。博士にとって、それは「全く新しい体験」だった。当時のヤマハ技術陣との記念写真は、博士と彼らが日本とアメリカを結んだ音楽技術の架け橋であったことを物語っている。

チョウニング博士

FM音源開発に関わる貴重なエピソードを語るチョウニング博士。

過去から未来へ――コンピュータ音楽の進化を体感

前半は、コンピュータ音楽黎明期に制作された3つの作品が、あらかじめ録音された音源で披露された。
1曲目『Turenas』(1972年)は、タイトルが「Nature’s」のアナグラムであることが示すように、自然音の変遷を表現した作品。会場を音が飛び回る4チャンネルの空間音響により、まるでブランクーシの彫刻『Bird in Space』が解き放たれ、優雅な軌跡を描くような音の旅路が展開された。
続く『Stria』(1977年)では、スクリーンにピアノロール状の譜面が映し出され、16分かけてゆっくりと演奏が進行していく。この作品の特異性は、通常の倍音列ではなく、黄金比Φ(1.618)の累乗に基づくピッチ空間を採用している点だ。実線で示される主要部分音と、点線で表される二次部分音が織りなす非調和なスペクトルは、「けたたましい」はずの音に不思議な透明性と秩序をもたらしていた。
3曲目『Phonē』(1981年)は、ギリシャ語で「音」または「声」を意味するタイトルが示すとおり、FM音源による歌声合成に挑んだ作品。重低音から高域まで、FM音源特有の金属的な響きを含む多彩な音色が、ゆっくりと荘厳に展開されていった。

チョウニング博士

自らコンピュータを操り、音源を再生する。

家族が紡ぐ音楽の物語

後半は、博士の息子スコット・チョウニング(フレンチホルン、シンセサイザー)が登場。新作『CONJO』(2025年)では、スコットがホルンで奏でるモチーフをもとに、シュトックハウゼン、ストラヴィンスキー、リゲティといった巨匠たちへのオマージュが重ねられた。スコットはステージ上でホルンとヤマハのシンセサイザー「MONTAGE M8x」を行き来し、アコースティックピアノの音色やブラス的なシンセサウンドを駆使。バッキングを博士自身が操作するという、親子共演の温かな場面も見られた。

スコット・チョウニング

多彩な楽器を奏でるスコット・チョウニング。

スコットと音楽活動を共にするソフィア・メイ・ウッドリー(ソプラノ)をフィーチャーした『Deep Blue』では、パーカッション、シンセ、ギター的な弦楽器の音が流れる中、スコットのオルガンサウンドとソフィアの歌声が絡み合い、現代的なドリームポップの世界が広がった。
圧巻だったのは、博士の妻モーリーン・チョウニング(ソプラノ)が歌う『Voices for Soprano and Interactive Computer v.3』(2011年)。デルフォイのピュティア(神託を告げる巫女)をテーマにしたこの作品では、モーリーンの声がMac上のソフトウェアでリアルタイム処理され、笑い声のような歌、ディレイを効かせた演出、しゃべりっぽい表現、オペラ風まで、多彩な表現が繰り広げられた。スクリーンには入力レベルやエフェクト結果が表示され、観客は音響技術の仕組みも垣間見ることができた。
最後は、オッフェンバック『ホフマン物語』より『美しき愛、バルカロール』(1881年)。スコットのピアノ伴奏で、モーリーンとソフィアが美しいデュエットを披露。シーケンスを使わない生演奏の温もりが、会場を包み込んだ。

ソフィア・メイ・ウッドリー(左)とモーリーン・チョウニング(右)。

ソフィア・メイ・ウッドリー(左)とモーリーン・チョウニング(右)。

時代を超えて受け継がれる精神

演奏終了後、サプライズゲストとして松武秀樹氏と浅倉大介氏が登壇し、博士に花束とプレゼントを贈呈。日本の電子音楽シーンを代表するふたりの登場は、FM音源が日本の音楽文化に与えた影響の大きさを改めて実感させる瞬間だった。
博士が語ったように、1983年に登場した「DX7」は「コンピュータミュージックを民主化」した。2,000ドル(当時の価格)とパソコンがあれば、誰もが強力なデジタルオーディオワークステーションを手にできる時代が到来したのだ。
この夜、ヤマハホールで響いた音楽は、単なる回顧ではなかった。1970年代のコンピュータ音楽から2025年の新作まで、半世紀にわたる創作の軌跡。そして、博士から息子へ、家族へ、そして世界中の音楽家へと受け継がれていく創造の精神。ヤマハシンセサイザー50周年を締めくくるにふさわしい、歴史的な一夜となった。

浅倉大介氏(左)、松竹秀樹氏(中)と博士(右)

ゲストとして登場した浅倉大介氏(左)、松武秀樹氏(中)と博士(右)。

文/ 藤本健

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2025.10.31
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