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ジャズ演奏の魅力は、みんなの息が合う瞬間を体験できること ― 声優・戸谷菊之介さんインタビュー

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昨年9月の劇場公開以来、記録的なロングランを継続している藤本タツキ原作の劇場版『チェンソーマン レゼ篇』。主演の「デンジ」役を務める戸谷菊之介さんは、ご自身のYouTubeチャンネルにてジャズトロンボーンの演奏やピアノの弾き語りを披露しており、声優に留まらない幅広い活動をされています。
そんな戸谷さんをゲストに迎え、参加者と一緒にジャズの演奏にチャレンジするイベント「一日ブラバンDAY」が、2026年02月22日(日)にヤマハ名古屋ホールにて開催されます。イベントに向けてヤマハ銀座店にてトロンボーンの弾き比べを体験された戸谷さんに、トロンボーンをはじめたきっかけや、ジャズを演奏する楽しさ、音楽経験が演技に与える影響などについてお話をうかがいました。

トロンボーンにしか出せない音色がある

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戸谷さんは3歳の頃からピアノ教室に通っていたそうですが、当時どのようなきっかけで音楽に興味を持ったのでしょうか?

小さい頃はまだ、なんとなく教室に通っているような状態だったので、ちゃんと音楽に興味を持つようになったのはだいぶ後になってからでしたね。小学校の頃に通っていた教室では、やりたい曲があれば自分で楽譜を持っていっていたので、ジブリの曲やゲーム音楽など、徐々に自分が選んだ曲を演奏するようになりました。

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その後、トロンボーンをはじめたのは高校生の部活動がきっかけだったそうですね。以前、他のインタビュー記事で拝見しましたが、コーチから「君の口のかたちはトロンボーンに向いている」と言われたとか。

はい(笑)。部活に入ってすぐにコーチに声をかけられて、「君はトロンボーンをやった方がいい」って。もともとは、進学した高校にビッグバンドジャズの部活があると知り、そこでピアノが弾けたらいいなと思って入部したんですが、希望者が多かったのでトロンボーンのセクションに配属されたんです。

260202_1day_bbd_01.jpg戸谷菊之介
ソニー・ミュージックアーティスツ所属の声優。主な出演作はアニメ『チェンソーマン』デンジ役、『WIND BREAKER』兎耳山丁子役、『花ざかりの君たちへ』中津秀一役、アプリゲーム『18TRIP』北片生行役、『ウインドボーイズ』清嶋桜晴役など。特技はピアノ、トロンボーン。第18回声優アワード新人声優賞受賞。主演を務める劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は、日本および世界各国にて大ヒット上映中。

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実際にはじめてみていかがでしたか?

最初は「なんだ、この楽器は…!」と思っていたんですけど(笑)、1年生の夏にはなんとか曲が吹けるようになり、そこからはどんどん演奏するのが楽しくなっていきました。同級生の3人と一緒にはじめたのも大きかったですね。全然吹けなくてもみんなに会うために部活に通っているうちに、徐々に吹けるようになっていったんです。

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その頃はどんな楽曲を演奏されていたのでしょうか?

「Summertime」「Fly me to the moon」「Route 66」といったジャズのスタンダードや、セサミストリートのテーマ曲、あとはWeather Reportの「Birdland」なども吹いていました。

ー
「Fly me to the moon」は、ご自身のYouTubeチャンネルでも動画を公開されていますね。ほかにも多数演奏されている映像をアップされていますが、どのような反響がありますか?

YouTubeをはじめる以前は、あまり周囲にトロンボーンを吹く姿を見せていなかったので、同じ声優の方からは「YouTube見たよ!」と声をかけてもらえました。以前一緒にジャズをやっていた友達からも連絡が来た時にはすごく嬉しかったです。

ー
ちなみに戸谷さんが考える、トロンボーンという楽器の魅力は何だと思いますか?

やっぱり音色ですね。他の楽器にはないまろやかさがありますし、ジャズを演奏する時には、アタック強めの尖った音も出せます。そういったトロンボーンにしかない出せない音色があることがこの楽器の魅力だと思います。

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音楽で培われたリズム感を演技の強みに

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声優のお仕事のほかにも、イベントなどへの出演時にはピアノの弾き語りも披露されています。そういった音楽活動をはじめようと思ったきっかけは何でしたか?

以前から少しずつピアノの弾き語りと作曲もはじめていたので、せっかくなら自分の活動にも活かしていきたいなという気持ちがあったんです。あとは、「ピアノ弾けるんだぜ!」みたいな(笑)、演奏している姿をみんなに見てほしいという気持ちもあって、音楽で自分を表現したいなと思ったんですね。もちろん、プロとしてはじめたわけではないので、人前で演奏することの難しさを日々感じていますが、それでも続けていくうちに徐々に演奏のクオリティが上がってきているのを感じています。最近はDTMもちょっとずつ勉強していて、本格的にはじめるためにオーディオインターフェイスを買ったり、音源を揃えたりしています。

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音楽活動をしていることが、声優のお仕事にも活かされていると感じる場面はありまか?

ああ、なるほど。たしかに……そういえば以前、お芝居をするにはリズム感がないとダメだと言われたことがあったんですが、僕はけっこうそこには自信がある方だと思います。会話の間やセリフを差し込むタイミングなどは、音楽によって培われた部分があるのかなと。

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昨年からロングランヒットを記録している劇場版『チェンソーマン レゼ篇』でも、戸谷さん演じるデンジと上田麗奈さん演じるレゼがやり取りするシーンはどこもすばらしかったです。後半のバトルシーンになると、セリフというよりも、叫び声やうめき声で会話しているような演技の連続でしたが、本作に限らず収録の際に意識されていることはありますか?

ありがとうございます!収録では、集中して役に入り込んでいくことももちろん大事なんですが、僕はいつもライブ感を重視するようにしていて、相手の演技の出方をみながら、自分自身のお芝居をしたいなと思っています。

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© 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
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© 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
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© 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
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音の演出も印象的だなと感じました。雨が降る夜にデンジとレゼが教室内で話しているシーンでは、屋内から屋外に移動するカメラに合わせて、デンジの声の聞こえ方も変化していて、とても音楽的な映画だなと。

僕もまったく同じことを思っていました!(笑)。牛尾憲輔さんの音楽ももちろんすばらしかったですし、特に音響がすごいなって。セリフと音のバランスがとてもいい感じにまとまっていて、効果音の差し所やタイミング、音量といったすべての響きがよくて、スタッフの方々のこだわりを感じました。

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© 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
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© 2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
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ちなみに、音楽が好きだからこその声優の仕事の楽しみ方はありますか?

やっぱり、自分が出演している作品の主題歌とエンディング・テーマは気になりますよね。実は映画の主題歌を米津玄師さんが担当されることは、みなさんと同じ一般発表のタイミングで知ったので、とても驚きました(笑)。好きなアーティストの楽曲が使われているアニメはやっぱり観たくなりますし、その逆もまたしかりで、アーティストの楽曲と作品の組み合わせをいつも楽しんでいます。

ジャズ演奏を通じて息が合う瞬間を楽しむ

ー
今日はヤマハのトロンボーンを吹き比べていただきました。いろんな楽器を演奏されてみていかがですか?

ここまでたくさんの種類のトロンボーンを吹き比べたのは今回がはじめてだったんですが、吹きやすさであったり、口当たりの良さであったり、自分に合う楽器ってやっぱりあるんだなと思いました。出る音がまったく違うのも興味深くて、思わず新しい楽器が欲しくなりましたね(笑)。

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以前、ヤマハ名古屋店で実施した一日店長体験のイベントの際にも、いくつか楽器を弾き比べさせていただき、こんなにもたくさんの種類があるんだなと驚いてしまって。普段はDTM関連の製品をネットで買うことが多いので、あまり実際の店舗に足を運んだことがなかったんですが、楽器好きはもちろん、機材が好きな人も一日中楽しめる、テーマパークみたいな空間だなと感じました。

ー
最後に、「一日ブラバンDAY」に参加される方へのメッセージと、今後の音楽活動への思いをお聞かせください。

今回のイベントでは、みんなで一緒に演奏することの楽しさを体験していただくことを、なにより大切にしたいと思っています。僕が音楽の楽しさに気づくことができたのは、ジャズのアドリブ演奏の時に、みんなの息が合う瞬間を感じた経験があったからだと思うので。参加者のみなさんには、そんな楽しさを感じてもらうイベントにしたいですね。

ジャズセッションの魅力は、その場に集まった人同士のはじめての組み合わせを楽しむことだと思います。楽器をやっている方、ジャズに興味がある方、どなたでも大歓迎です。初心者の方にはちゃんとサポートができるように頑張りますので、お気軽に参加いただき、ぜひ一緒に楽しい一日を過ごせるといいなと思っています。

僕自身は、これからも声優のお仕事をしながら、音楽活動にも力を入れていきたいと思っています。ぜひ今後のイベントなどに遊びに来てもらいたいですし、よかったら僕のYouTubeチャンネルの動画も観てもらえると嬉しいです。

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写真:葛西亜理沙 取材・文:堀合俊博

2026.02.13
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