オルガンの音色を調整する「ストップ」という名のスイッチについて。

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こんにちは。新緑の美しい季節となりましたが、みなさまお元気ですか? バイカウントのクラシックオルガンはパイプオルガンの音色を電子で再現している楽器ですので、パイプオルガンについて知るとよりバイカウントの魅力がお伝えできるので、今回は、オルガンの音色についてお話させていただきます。

オルガンにはどんな音色があるのでしょうか?

音色を選ぶスイッチのことをストップといいます。バイカウントクラシックオルガンではドローノブ式(ボタンのような形)とタブレット式(長四角のスイッチ)があります。
 

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ドローノブ式(ボタンのような形)

 

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タブレット式(長四角のスイッチ)

ストップにはパイプオルガンの音色名と数字が表記されています。パイプの長さ、形、材料により名前がつけられているそうです。
数字はパイプの長さで、8’は手鍵盤の中央のCから2オクターブ低い音のパイプの長さが8フィート(約2.4m)という意味になります。パイプの長さが短くなると同じ鍵盤を押しても高い音がでます。4’だと1オクターブ上、2’だと、2オクターブ上の音が出ます。足鍵盤は低い音域を出すためパイプの長さが長くなり16'、32'などになります。

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Prinzipal 8'(プリンシパル 8フィート)
※「プリンシパル」はオルガンの中心となる音色で、一般的に豊かで力強い音色です。

パイプは、金属製のものと木製のものがあり、パイプにリードがついているものと、ついていないものがあります。オーボエの音色を再現した「Oboe」、トランペットの音色を再現した「Trumpet」、弦楽器の音色を再現した「Gamba」などさまざまな楽器を再現したものがあります。
また、同時に複数のパイプから音が出るストップや(例.Mixture Ⅴ、Sharf Ⅲ)1つのパイプから奇数倍音(5度や3度など)が出るストップもあります。(例.Nasard 2 2/3’、Terz 1 3/5’ など)
音色については、深い森のように膨大な数の音色があり、特徴もさまざまですので、今回はここまでとさせていただきます。
(ご興味を持たれた方はぜひ、専門家の著書をご一読してみてください!)

オルガン奏者の音作り

オルガン奏者は、このたくさんの音色を使いどのように演奏するのでしょうか?

1. まず最初にオルガンにどんなストップがいくつあるかを確認していきます。
2. 次に1つ1つの音色の音を聴き、それぞれの特徴を理解していきます。(備考:同じ表記 Prinzipal 8' でもオルガンによって違うことがあります)
3. これらの音色を混ぜ、自分の表現したい音色を作っていきます。オルガン奏者の腕の見せどころでもりあります。(音作りの例:最初はPrinzipal 8'だけで弾く→1オクターブ高い4’のパイプを足す または別の8’のパイプを足してみるなど。)

オルガン奏者が音を作っていくのは、オーケストラの指揮者や作曲家のような苦労があるそうです。オルガンコンサートに来場される際は、コンサート前にオルガン奏者の方たちがオリジナルの音色を作るためにたくさんの時間と努力があることにぜひ思いを馳せてみてください。よりいっそう音色を味わうことができると思います!

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