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イベントレポート

ジャズの基礎を学び、今をときめくアーティストの公演をジャズクラブで堪能 はじめてのJAZZ@ブルーノート東京 ~2017年6月24日開催~

はじめてのJAZZ@ブルーノート東京


ジャズに興味はあるけれど、なんだか難しそう。ジャズクラブはハードルが高い……。そんな方のために、2017年6月24日、「はじめてのJAZZ@ブルーノート東京」が開催されました。今回のイベントでは日本のジャズ文化を牽引してきた『スイングジャーナル』誌最後の編集長であり、現在は『ジャズジャパン』編集長を務める三森隆文氏が基礎をレクチャー。その後、ブルーノート東京で、気鋭のジャズピアニスト桑原あいwithスティーヴ・ガッド&ウィル・リーの公演を楽しみました。

表参道ビジネスフォーラムで行われたレクチャーでは、三森氏ならではの視点からジャズの歴史を解説。ジャズを特徴づけるものは、「貪欲なまでの吸収力」と「黒人と白人の駆け引き」が三森氏の持論であり、このふたつをポイントに1900年代初頭から2017年までを振り返ります。

2017年はジャズ・レコード誕生100周年。1917年にビクターから初めてジャズ・レコードをリリースした白人バンド「オリジナル・ディキシー・ランド・ジャズ・バンド」が貴重な映像とともに紹介されました。続いて、ジャズがポピュラー音楽の第一線に踊り出ることになったスイング・ジャズ、セッションから生まれたビバップ、より自由な即興へと進展したモード・ジャズなど時代を追って解説。また、桑原あい、スティーヴ・ガッド、ウィル・リーの紹介やこの日のライブの聴きどころ、見どころも。参加者からは「ジャズの歴史から最新の事情までわかったので良かった」「ジャズはふだんからよく聴いていますが、ジャズを知っている人も十分満足させる内容で、とくに貴重な映像がとても面白かった」などという声が聞かれました。

午後5時からは、待望の公演。その前にブルーノート東京に入店した参加者たちは、料理やドリンク、会場の雰囲気を存分に楽しみます。
あまたあるジャズクラブのなかでも、世界的にその名を知られる名門のひとつが、ニューヨークの「ブルーノート」。ジャズファンならば一度は訪れてみたい老舗です。その名を冠した「ブルーノート東京」は、1988年、東京・青山に誕生。以来、国内外の大物アーティストのステージが楽しめる本格的なジャズクラブとして愛され続けています。フランス仕込みのシェフの洗練された料理も高評。オリジナルビールやアーティストにちなんだ公演限定のスペシャル・メニューやカクテルも供され、桑原が大好物だという旬の青梅をふんだんに使ったカクテル「Sealed With A Kiss」は初夏のこの日にぴったりです。

さて、いよいよトリオの登場! 桑原あい、スティーヴ・ガッド、ウィル・リーの3人がステージに姿を現わすと、われんばかりの拍手がわき上がり、満員の会場は一気に熱を帯びました。
2017年2月8日には、トリオによるアルバム『Somehow, Someday, Somewhere』がリリースされ、その名を冠したツアー計8公演を大阪、名古屋、東京で開催。
「ツアーの残りがあと2回になってしまってすでに悲しい気持ちではあるんだけど、一瞬一瞬楽しんでいきたいと思いますので、ぜひ最後までおつき合いのほどよろしくお願いします」と桑原が挨拶すると、会場からは「泣くなよー」との声が。こうした距離感は、ライブハウスの醍醐味です。
今回のライブでは、ニューアルバムに収録された曲を圧巻の迫力で展開。MCで桑原は、小学4年生でジャズフュージョンを好きになって以来、スティーヴ・ガッドとウィル・リーは「ヒーロー中のヒーロー」であり、スティーヴから一緒にやろうと声をかけられたものの、ずっと無理だと思っていたことを告白。そんなメンタリティを変えた出来事が2015年、モントルー・ジャズ・フェスティバルでのクインシー・ジョーンズとの出会いでした。これをきっかけに生まれた楽曲『The Back』で聴き手の心をさらうと、アンコールでは「最後は踊りましょう!」とボブ・ディランの『The Times They Are a Changin’』で圧巻のパフォーマンスを披露。スタンディングオベーションが“最強トリオ”によるステージのすばらしさを物語っていました。

参加された方からは「間近で演奏が聞けて、迫力がすごかった。体に響いてくるようなライブでした」「ステージとの距離が近くてアーティストとの一体感がありました」などの感想が。また、20代の参加者からは「20代にとって、ジャズは静かな音楽。ジャズを生で聴きたくて参加したのですがよかったです」といった声も聞かれました。
ジャズファンはもちろんのこと、この日初めて生のジャズに触れた人にとっても、ジャズの魅力をたっぷりと味わえた充実の1日となったようです。

文 福田素子

※ライブ時の写真は、ブルーノート東京提供による2017年6月23日公演時のものです。